第128話 祖母の言い伝え
安いもんでも腹一杯
(祖母は新潟の豪農のムスメでした。
田舎が嫌で家出して、イケメンの祖父と恋愛結婚しました。祖父が死んで肉屋が潰れてからは
貧乏生活の子沢山。
いつも、子供達を食べさせるのに大変だったのでしょう。ずーと言ってました。)
寝るはこの世の極楽だ
(明治生まれのお転婆娘も苦労をしたのでしょう。メリヤス工場やらお金持ちの家の家事とか
掛け持ちで働いてました。
布団に入ると必ず言ってました。)
しごとは死事
(楽にお金は入らない。しんどいのが仕事。
我慢、我慢と唱えるように自分に言い聞かせましたね。)
嫁はこずらにくい
(祖母は息子が六人いましたが、お嫁さんには
きつかったようです。
孫には面白い人でしたけど。)
白蛇は家の守り神
(新潟の祖母の生家には白蛇が住んでいたそうです。夜にニワトリの産んだタマゴをひとつ
おくどさんに置いておくと朝はなくなっていたそうです。
白蛇さんが食べるんだと話してました。)
朝蜘蛛は殺生してはいけない
(何故かわかりませんが、朝の蜘蛛は見つけても
殺生してはならんと言ってました。
なんで?)
てぐさりする手では梅干しは浸からない
(祖母は梅干し作りの名人でした。
子供の頃に手伝いたくて、手を出すと
手によっては梅が腐るからまだいかんと言って触らせてくれませんでした。
祖母の梅干しは誰も受け継ぎませんでした。)
めんどくさいと言うなら行きとるのもめんどくさいだろうで死んだらええ
(働き者でしたので、めんどくさいと言うと
叱られます。)
明治の初めの生まれの祖母は、その時代の人にしてはちとおかしい女性でした。
お金持ちの娘なのに、勝手にひとりで
名古屋に来て、お針子の仕事をしてたようです。
田舎でお見合いした男性がぶさいくだったのが
嫌だったようです。
それで、田舎の親類から絶縁されました。
どうも、祖父はすごいカッコよかったそうで
全く、あきれる、、。
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