第四十六話「月城朱音16」
「照射だ! 照射!! おまえらは正当防衛しかできないはずだろ!?」
「余裕がないんだ。無線を貸してくれ」
「味方だ。繰り返す味方だ。拿捕した敵機を使い、民間人の輸送を行っている」
私は国際チャンネルで第1護衛艦隊群に照射をやめてください味方ですと連絡をするが、応答がない。無線機は故障していないはずだ。そう考えた私の視線に米海軍の孤立した艦船が映った。一定の距離を保って第1護衛艦隊群をストーキングしている。パイロットがノイズ・ジャミングだそう呟いた。
「ノイズ・ジャミング?」
「『国際チャンネルだけ狙い撃ち、ジャミングされてる』らしいよ」
あの米海軍の艦船が電話妨害しているってことか。
「艦隊のチャンネルが分かれば連絡できるわけだな。まぁ国際チャンネルで連絡。周波数を教えてもらって、このパターンじゃないと知る由がないから無線はダメか」
私は双葉と涼風に協力してもらい自分たち日本人の存在をアピールする。全開のドアからぶんぶんと手を振って敵じゃないから照射やめろと訴える。護衛艦あきづきの甲板で双眼鏡を覗いていた隊員が気づいた。
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