909話 実は色々詰め込み教育な僕
失意体前屈をしている佑那を置いてちょこっと秘密の作業をして戻って来たのは4時前だった。
佑那は…ふて寝していた。
食事を終えマイヤが僕の横に座る。
『パパ、神社でなにかしたの?』
「うん。ライブの中継セットと、その他ちょこっとね」
『ひみつなの?』
「秘密だよ?誰にも言っちゃいけないよ?」
『うんっ!ひみちゅ…秘密なの!』
マイヤが両手で口を隠す。
「そう言えば大きくなったのにいつもの姿なの?」
『パパとねる時とあそぶとき以外はこっちが良いの』
「そっか~…寝る時は大きい方が良いのか~」
『うんっ!その方がパパをたくさん抱きしめられるから』
……あるぇ?なんでうちの子、妖艶な笑顔を?
「はっ!?どこかで泥棒猫が!」
ゆーなー?
「食後すぐに寝ちゃいけませんとあれほど…」
「ちょ!?待って!?考え事してただけだから!」
「うん。なんか最近
「
佑那は納得しようとして首をかしげる。
「…アレって、そこまで空気読めました?古今和歌集的に」
「兄さん見ても普通に話しかけてきそうだよね…アレ。マイヤ」
『ここへの入出はさらに強化してるから大丈夫!パパの二重体でも弾くよ!』
エッヘンと胸を張るマイヤ。
どんな理屈だろうと一瞬思ったけど、あの時色々解析しているはずだから問題無いのか…
「…ヤンデレ世界さんだから兄さんのことは魂の部分まで分かっていっ゛だい゛!」
突然天から金だらい(中)
「ナイス不意打ち」
褒めてあげよう!
「~~~~!!…しかし、結羽人兄さん帰ってきませんねぇ」
これはマズイと判断したのか佑那が話を変えてきた。
「兄さんのことだから幾つかの世界回っているんじゃない?」
「自称コミュ障なのに…」
「それ、僕もだからね?」
僕がそう答えると佑那は少し目を細めて僕を見た。
「兄さんはコミュ障と言うよりも引っ込み思案なだけですよね?」
「大勢の人前に出ると手足がガクガク震えるよ?」
「ほとんどの人はそうなると思いますが……記者会見の時とかは普通でしたよね?」
「巫女という演技をしていたから」
「…兄さんの演じる能力って高過ぎません?ぶっつけどころか突発で出来るモノではないですよ?」
まあ、言い方悪いけど僕に我が薄いからだろうなぁ…と。
飛躍的に伸びたのは講師が一流だったから?
「楠田さんの指導だからねぇ…」
「楠田さん?何方です?」
「えっと、女優?の楠田由美子さん」
「なんで兄さんが女優さんと!?…って、大御所さんじゃ無いですか!」
佑那でも分かる女優さんだからなあ、あの人。
「一時期は週一でレッスン行ってたよ。大学の頃だけど」
「いやなんで!?」
「学祭でね…」
「あっ、目がスンッて…分かった。分かりましたから!」
「楠田さんの前で女装してその役になりきったらもの凄く目をキラキラさせて大はしゃぎしてたなぁ…当日もお忍びで劇を見ていたみたいだし…」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬっっ!」
いや、悔しがっても…佑那の言動が元で僕家出たわけだからね?
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