647話 スイーツ祭りと、禁断症状


 テーブルの上にタルトやシフォンケーキ、プリン、パリブレスト、ゼリー、そしてバウムクーヘンをテーブルの上に置く。

 更にジャム各種と…アイスクリームを置いて備える。

 あっ、一般人用のクッキーとシュークリームも出しておこう。


『マイヤ姉様、美味しいですね!』

『うんっ!リムネーももっと食べて?』

『はいっ!』

 ああ、娘達に癒やされるぅ…可愛すぎない?

「…!、!!…!」

「!!、!!!…!」

 えっと、ロアステーアさんは前にここに呼んでいたから大丈夫みたいだけど、フィウヴェさん、ゴメンね?

 一応滞在許可は出しているし、上位世界の人だし神域である程度耐性ついていると思ってたから大丈夫と思っていたけど…キツそう。

「…いえ、大丈夫ですが…食べるのはもう少ししてからで…」

「デスヨネー…慣れてきたらでお願いします」

 少なくとも食べるのは大丈夫のハズ。地球よりも上の世界だし…

 そして佑那。

 フルーツプリンを一口食べてこくこく頷き、クッキーを食べてまた頷く。

「佑那、大丈夫?」

「プリン美味しい…クッキーと合う…ぷりんおいひぃ…くっきぃうまぁ…」

「佑那?佑那!?」

 幼児退行しているよ!?

 あっ、ミツルギ姉様が肩をズドンと叩いた!?

「!?」

 正気に戻った佑那が呆然とプリンを見つめている。

「少し気を落ち着けた後にゆっくり食べて」

「ありがとうございます…兄さんのスイーツの誘因力が…」

「それは心底同意」

 なんで!?

『マイヤお姉様、鼻の頭にクリームが…ああっ!私が取りますから』

『んっ!リムネーありがとう』

 うちの娘達が仲良すぎて嬉しい…嬉しい…

「いや、ゆーくん?どうしてマイヤちゃん達見て拝んでるの?」

「尊くて尊くて…」

「母子に見えるのに姉妹で見ていて脳がバグるのに…まあ、確かに尊いわ」

「ああ、ジャムが…バニラアイスに杏ジャムという背徳感が…」

 白城さん泣いてる!?

「カットタルトにバニラアイスを乗っけて食べても凄いわ…」

「仕えられて、良かった…!楽土はここにあった…!」

 メリアさんと板額さん?食べ物を掲げて食べなくても良いんですよ?



「バウムクーヘン2本を神々用にしても良いの?」

「はい。ついでに残ったアイスもどうぞ」

 ミツルギ姉様に神様のおやつをまとめて渡しておく。

「泣きながら仕事しているアディもきっと喜ぶわ…ジャムは絶対に外に出さないようにね?」

 ですよねぇ…杏ジャムとリンゴジャムが半分無くなってしまった…

「次は桑の実ジャムを作る予定です」

 具体的には今日。

「ああ、アレか!」

「見た目はちょっと…と言う人もいますがとても美味しいですよね」

 繕うのが大変だけど、とても大変だけど!

「ゆーくん、今日ジャムを作るの?」

「はい。恐らく半日はかかるでしょうけど…」

 主に桑の実の繕いや下準備で…前回も丁寧にやったけどね!

 前回奪い合いになってましたし、瞬殺だったし…伊邪那美お母さんも喜んでいたから頑張るかぁ。

『パパ、桑の実とり?』

『お父様、採りに行きましょう!』

 うちの子達お目々キラキラしてるぅ…

「兄さん!逝きましょう!」

 佑那、覚悟ガンギマリィ…でも、

「佑那は紅葉さん迎えに行かないの?」

「………ソンナー」

 ショボン顔してもだーめ。


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