640話 祭りのセットと、佑那の現状鑑定


 あっ…一般人用に作った物、紅葉さん家にって殆ど持ち出してたかぁ…でもなぁ。

「佑那にはまだ蜂蜜は早いから…」

「待って?私乳幼児じゃないよ?」

「まだ早いと思うよ?死んじゃうよ?」

「いやいや待って!?どういう事!?」

 箱庭食品はある程度神気抜かないと佑那には厳しいと思うんだけど。


「───話がややこしくなってるけど、つまりはここの食べ物は神気が強すぎて私には厳しいと」

「うん」

 皆が来るのを待ちながら佑那にきちんと説明をする。

「一口食べたら即死とか?」

「モノによっては…例えば蜂蜜とか」

「怖ァ!?」

「神気さえある程度取り除けば大丈夫。もしくは慣れたら」

「私最近ずっとここで生活しているけど…慣れてないのかなぁ」

 佑那のぼやきは分かるけど、佑那が使っているのって洗面所とかくらいだし。

「洗面所の水とかは屋上に設置した水タンク経由だから。その水も神域の水だし」

「神域の水って時点で破魔効果ありそうなパワーワードなんだけど」

「多少の破魔効果はあるよ?…さて、佑那が食べても大丈夫か確認しなきゃ…」

 とりあえず佑那を鑑定してみよう。


 岩崎佑那いわさきゆうな 性別:女性 職業:神衛隊長(L3) 

 年齢:20歳 身長:169cm 体重:60kg B86W56H85

 岩崎家長女(次女?三女?)。 好戦的で実は腹筋割れている。外では完璧クールなお姉様…と世間では言われている(笑)喋ると残念美人。


 神宮衛士召喚(L4)(10/10):10人の聖騎士を召喚出来る。ただ、聖騎士といっても神兵のためかなり強い。鬼と単騎で互角以上の戦いが出来る。


 神域の守護者(L1):聖壁というバリケードを構築できる。

 強度は使用者の耐性に依存する。神域や聖域、結界などを背にしている場合は強化される。


 神域の衛士(L2):攻撃スキルで強力な神聖属性を帯びることで破邪効果だけでは無く通常斬撃がスラッシュになるような攻撃強化スキル。


 衛士任命(L0)(0/10):任命をした場合、12時間は神衛隊員となり、グループ化と神聖属性が付与される。


 先天能力

 天賦の才:大抵の技術であればすぐに習得可能だが、感覚的なものの為説明不可。

 適応能力(L2):周辺環境への適応が早い。(箱庭神域への適応率40%)

 天運:致命傷は避け、回付不能であった場合は最善行動によって最悪を回避する。


 後天能力

 見鬼(L1):霊魂、妖怪、隠形看破。正確には気配察知との複合技のため全容を視るレベルではない。

 香椎家家伝武術(体術:伝)(L4):一族秘伝の退魔武術『刀・剣・弓・体・長柄・統』のうち『体術:伝』の許を例外的に得ている。

 岩崎家耐性(L3):「岩崎家だから仕方ない」そう言われるレベルの心身耐久への称号。リアルアクション映画主人公のレベルを既に超えて久しい。

 男性化:職業付随。妖艶な色気を纏った優男姿。

 残機(1):金桃による超常バックアップ。代替寿命100年


 これは、うん。

 佑那ゴメン。言い訳できないレベルで人外レベルだよ。

 多分食べられないなら…天運が本能に働きかける…かなぁ?

「兄さん?」

「ここのものを食べても一応問題は無いけど、量食べるのは危険、かなぁ」

「なんか微妙ですね」

「ここへの適応率40%らしいから…無理をしないでね?」

 佑那がフッとニヒルな笑みを浮かべた。

 ───コイツ、無理をする気だな?

「…無理する悪い子にはあげないでおこうかなぁ」

「ごめんなさいっ!少しで、少しで良いのでお恵みくだせぇぇっ!」

 恥も外聞も無く謝ってきた。

 佑那の隣にミツルギ姉様を配置してストッパーになってもらおう。

 一般人用のお菓子も多少はあるし…うん。


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