645話 洗脳テロと、スイーツ祭り
おにぎりを作って持たせたら…佑那がもの凄い微妙な顔で戻って来た。
「兄さん…あのおにぎり、あのお櫃一つ分だよね?」
「うん。どうしたの?」
「全部食べられちゃったんだけど…」
「うん。それで良いんだよ?玉藻さんだけではないでしょ?」
「玉藻さんと鎌鼬?3匹、あと妖精さんが沢山いたよ」
「じゃあなくなるでしょ」
「ええー?」
おはようございます。
といっても午前5時ですが。
昨日寝る前にパンを15斤ほど作って10斤をサンドウィッチとして使用。全部食べられてしまった。
さてどうしよう…出勤しようか、お休みしょうか…うーん。
箱庭の皆の朝食も終え、午前6時のお茶を飲む。モーニングティータイムですね!
ラヴィ姉さんはすぐに神国へ出勤。佑那は…寝間着のまま?
「兄さん、今日はお休みなの?」
「どうしようかなぁって」
「スイーツ祭りは?」
「それはもう終わったよ」
「……………えっ?」
佑那怖い怖い!表情が抜け落ちてるから!
でもスイーツ作成祭りは終わったんだよなぁ…
「まあまだだという事は分かってますし?…それよりも兄さんは今日まで休んだ方が良いと思うの」
目が怖いままそれを言うのもどうなんだろう…
「佑那は大学に行ってらっしゃい」
「今日はお休みだよ?」
「えっ?」
サボり?
「大学が襲撃受けたって昨夜連絡が回ってきたよ」
「えっ?全滅させたんじゃなかったの?」
「襲撃したのは学生らしいよ?」
「え゛っ!?」
まさかの回答に変な声が出た。
「結界張られたから妖怪の類いは全滅したし、取り憑かれていたり乗っ取られていた人も吹き飛ばされたみたいだけど…洗脳系はね」
「他にも襲撃受けたって事?」
「うん。警察署や官公庁、大学、そして協会本部に襲撃を掛けたらしいよ?」
「そんなに洗脳されていたと…東京だけ?」
僕の問いに佑那はスマートフォンでネットニュースを少し確認する。
「ん~…ネットニュースだと東京だけみたい」
良かったと言うべきなのかどうか…
「あっ、速報入った。神戸で複数箇所テロ発生って」
「………」
これ、操れる人数に制限がある?いや、洗脳ってそう言うものじゃないし…
「と言うわけで兄さん。今日も休んで?」
「いやむしろ出なきゃ…」
「態々戦場に行く必要は無いんだよ?」
佑那はそう言いながらも何かスマートフォンを弄っている。
社用のスマートフォンが鳴った。
「はい、岩崎です」
「おはよう岩崎。藤岡だが…少なくとも今日までは休め」
なんか、課長に出勤を止められてしまったでござる…佑那の仕業か!
バッと佑那を見ると佑那がニヤリと笑みを浮かべた。
さて、諦めてスイーツ祭りをしますか…
箱庭に入り、スイーツ祭りの準備を始める。
佑那が一生懸命テーブルを運んできて、僕はお皿などを並べる。
と、マイヤが不思議そうにやってきた。
『パパ、どうしたの?』
『今からスイーツ祭りだよ』
『!?』
マイヤが大きく目を見開いたあと、満面の笑みを浮かべた。
『みんな呼んでくる!』
「あっ、できればミツルギ姉様も」
『うんっ!』
『マイヤ姉様からスイーツ祭りとの報告を受けました!』
リムネーがすっ飛んできた。
「リムネー、ここの滞在許可を出している人達を連れてきてもらえるかな?」
『すぐにでも!』
リムネーもすっ飛んでいった…みんな凄い行動力…あっ、
ユルフテラ様へもスイーツ祭りの案内を出しておこう。
さぁて…お腹壊すまで食べさせちゃうぞぉ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます