644話 お料理と、ブートキャンプ結果


「ふおおおおおおおおおっっ!?」

「フレンチ?えっ?でもこれ日本食?」

「あの肉塊が…さすがゆーくん…」

「これが、文化の合流ですか…」

 いや、神様方…それ褒めすぎで…邪幼女神様泣いてるぅ!?


 神様方用の6品は大盛況でした。

 うん。あまり食べ物に執着しすぎないでね?

 あと佑那と紅葉さん…泣きながら食べないで?そんな食べ物じゃないから。

「兄さん…昨日と今日の技術差が大きすぎるんですが!?」

「今回は量より質を重視したからね」

「………手を抜いていた、と」

「手は抜いてないからね!?」

 量を作る際にはどうしても細かな事が出来ないからねぇ…一手間掛けたりはするけど今回みたいに一皿一皿に力を注がないから…

「で、紅葉さんは大丈夫?」

「腕がプルプルして…」

 何をしていたんだろうか…鍛えるのはスキルで召喚した衛士がメインではなかったのかな?

 チラッと白城さん達を見る。

 白城さんは微笑み、板額さんはそっと目を逸らす。

「衛士の方々への躾と基礎力向上は最低目標値までは完了しています」

 食後のお茶を飲みながら白城さんがニヤリと笑った。

「弓での貫通力は小鬼程度であれば突き刺さるレベルになっている。剣や刀だと防衛戦のみだ」

 板額さんもウンウンと頷いた。

「彼女にも護身と体力・持久力の訓練をさせています」

「彼女は多少運動はしていたようでランニング含め結構やりますね。2キロ程度であれば結構な速さで走れます」

「結構な速さ…」

 全力疾走な予感…それを2キロ?エグくない?

「定期的にここのジムに通ってくれたら一月で衛士は小鬼を単騎で倒せる程度、そして彼女には相応の護身術を教え込みます」

 ああ、お二方が嬉しそう…

「佑那的には?」

「私も鍛え直さなきゃいけない部分が見えたから一緒に鍛えたいなぁ…って」

 佑那が紅葉さんを見る。

「私が迎えに行くから…駄目?」

「駄目じゃないです(即答)」

 あらー…佑那新しいお姉ちゃんゲット?

「佑那ちゃんの方が優しいと思うし」

 ──────えっ?

「「えっ?」」

 あっ、白城さんと板額さんが「うっそだろお前」って顔で紅葉さんを見てるし。

「じゃあ送り迎えは私がやるね!」

「私も外に出る練習しなきゃいけないし…うん」

 ああ…これは自ら地獄への片道切符を…

「えっと、何でそんなに憐れみの目で見られているのかなぁ!?」

「…いえ、外に頻繁に出られるようになれたら、良いね?」

「言ってる事と視線のニュアンスが違うと思うんだ…」

 紅葉さんからジト目で見られるけど、僕はアルカイックスマイルで回避した。

「じゃあ、佑那。紅葉さんをしっかりと送り届けてね?」

「勿論!板額さんと散歩しながら送り届けるね!」

「あと実家の状況も確認してきて?僕行こうと思ってたけど、転移で来たから」

「あー…了解」

「お土産におにぎりを持っていって?」

 飯櫃はある。塩むすびと梅とかおかかや…苗めしとか?

「美沙さんへもご飯持っていってね?」

「えっ!?いいの!?」

「うん。それように作ったから…ちょっと待っててね」

 僕はおにぎりを急いで作る事にした。


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