642話 記念配信とサブマリンな魚雷投下


 転移した先は特設配信ブースだった。

「「ようこそイ・ブラセルへ!」」

 ユグドラシルと祓戸がカメラに満面の笑みを向ける。


『あぁ、浄化される』

『幸せはここにもあった』

『神秘的な笑み』

『本気を出した幼女神』


「最後何!?」

「まあ、普段が普段だからねぇ…」

 ショックを受ける祓戸と苦笑するユグドラシル。

「さてさて、今回話をするのは審議の石板の結界は一応張るけど10日だけの猶予期間を過ぎたら少しずつ力を失っていくから!」

「そして審議の石板にマギトロンや魔石片などを燃料に結界は回復するからね!」


『えっ!?』

『無償期間は10日…了解です』

『助けてくれないの!?』

『エセ神だからだろ』

『ハハハ表現の自由、言論の自由って人にしか適応されないって知ってたか?』

『無敵の人も死後無敵はあり得ないみたいだしなぁ…』

『私の市の付近、ダンジョンないんですけど…』

『自分モです』


「あー…エセ神と言った人はフェルアーンに住んでいるみたいだから10日じゃなくて3日ね」

 ユグドラシルは苦笑してそう言いきった。

「審議の石板の結界は周辺地域は連結させているから周辺地域の補助を受けられるよ。ただし、他地域は不公平にならないように5%だけだけど!」

「説明がちょっと端折りすぎぃ…同エリアの審議の石板は連携していて95%はその審議の石板に。残りの5%は周辺都市に補助提供されるよ」

「はい、起動させたよ。審議の石板に補充状態と結界の状況が表示されてると思う」


『なんか隣の人が吹き飛ばされたんだけど!?』

『スゲェ!結界の表示がドンドン増えていく!』

『あの、残3日って…』

『残念!暴言吐いたヤツを恨んで?』

『周辺地域に住んでいますけど、急いで補充します』

『でもなぁ…神様の罰が優しすぎない?』


「問題無いよ。1日どれだけの損失になるのか計算したら分かるよ」

「今の買取価格から考えると…うん.痛いねぇ」

「はい、次の話に行くけど各国震えてね!」


『えっ?』

『どゆこと?』

『嫌な予感しかしないんですけど!?』


「まあ、実は簡単なテストを兄者さんから出されていてね?」

「各国心当たりあると思うけどなぁ?とある騒ぎの後に兄者に言われなかった?世界中からその時得たアイテム等を回収したいと。

 ただ、それを拒否するだろうからと駄賃として半分、こちらに回すようにと通達を出していんだよ」

「正直に得たモノをほぼ全てこちらに回すのであれば神国との取引は対等。言われたとおりであれば段階的に、3割以下であれば交流はしないし今後手助けを行わない」

「因みに3カ国程がほぼ全て。5割は11カ国。4割10カ国。3割以下やそもそも送ってこない所が殆どだったよ。ああ、カウントはこちらの方でしてあるから」


『うわぁ…』

『3カ国………日本と何処だろう』

『最悪ですやん』

『えっ?もらったらいけないのか』

『ヤベェ…何も言われなかったから提出してない!』

『まあ、手遅れな所も多いだろうね…』

『カウントされていたとか…突っぱねた国はどうなるんだろう』


「突っぱねた国は神々も見捨てると言うだけだし、自力で何とか出来るって宣言した国だと思って?」

「神や精霊達が抑えていたダンジョンのバリケードが外れる程度だから」

 カラカラと笑うユグドラシルと祓戸だった。


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