619話 帰宅時の襲撃と、報連相
SIDE:佑那
「兄さんだけではなく私も狙うと」
大学帰り、人の少なくなったタイミングで銃を持った男2名と大きな白い何かが4体、私の周りを囲んだ。
「岩崎佑那だな?一緒にギッ!?」
一気に男を通り過ぎながら喉を親指と人差し指の間、合谷?で喉を強打する。
そして背後に回り込んで銃を奪い取ってもう一人の男性目掛けてその男性を蹴り飛ばした。
次いで襲いかかってきた白い何かに対し構え、そして───
「Are you OK?」
天地人それぞれの力を体内で循環させ、拳に集中させて踏み込みと同時に拳を突き立てる。
直後力が大暴発をし、周りの全員が巻き込まれた。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえる。
「やり過ぎた?」
私は無傷だし服も大丈夫。
ただ、私を爆心地とした周辺3メートルはとんでもない事になっていた。
白い何かは全て無残に千切れた状態で動きもしない。
そして男達は体も服もボロボロな状態で倒れて動かない。
「おー…流石超必殺技…化け物もワンパンだ」
パトカーが私の側に停まり、2人の警官が降りてきた。
「…あー…岩崎さんでしたか。この状況は、襲われたとかですか?」
「あ、はい。倒れているのは元軍人?で、散らばっているモノは式神かなんかです」
「………流石は岩崎家ですね」
呆れ半分の声で警官がそう言い、もうひとりの警官が男達に手錠を掛けて車に詰め込む。
「何が流石なのかは分かりませんが、ありがとうございます」
そう言って軽くお辞儀をする…ことなくその警官に突きを喰らわせた。
「ごぽぉ!?」
警官が吹き飛び、パトカーに直撃した。
「!?」
警官が慌てて私に向けて銃を構えようとしたけど、
「口を見て」
私の台詞に警官が駆け寄る。
「ひぃっ!?」
その警官の口からさっき倒したモノのミニチュア版が出てきた。
「ふっ!」
出てきたソレに拳を突きつけるとソレは消滅した。
「OKOk、これで祓えた」
「嘘ォ…」
「この人も一応手錠掛けておいた方が良いですよ。魅入られていたようなので何か悪い事をしていたと思います」
「ええええ?」
「じゃ、失礼します」
私はそう言ってその場を後にした。
───マンションに戻ってから相手の銃を奪ったまま警官に渡していないことに気付いた。
うん。次に渡そう。
SIDE:友紀
「兄さん、私襲われちゃった」
佑那が悲痛な顔でもなく普通に言うけど、
「相手殺してない?」
「まずそこから!?私の身を案じない!?」
「?」
「そんな可愛く小首をかしげなくても…」
「いや、だって何かあればノータイムで神兵さんが佑那のガードに転移するのに?」
「えっ?」
何故そんなに驚いた顔をするのかな?
「神兵さん達、そう言ってたよ?だからもし拙い場合はうちの部隊や兄さんにも連絡が行くらしいし」
なんだかんだ言って神兵さん達は佑那のこと大好きだし。
「……知らなかった…」
「話し合いできるんだからしっかり話を聞いたら?」
僕の忠告に佑那はガックリと項垂れる。
「…あい」
「僕も人のこと言えないけどね!」
「兄さん!?」
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