618話 本日の配信と、ゆる姉&せお姉の爆弾告知


 マンションに戻り、配信を開始する。

「こんにちは。現在関東地域は騒ぎに包まれていますが如何お過ごしでしょうか」


『巫女様逃げて!』

『巫女様は大丈夫なんですか?』

『東京住みですが、普通に妖怪が跋扈し始めています』

『三本足の鴉が小さい女の子達と一緒に幼稚園生を守ってた!』

『八咫烏と妖精居るの!?』

『八咫烏の勢力範囲外だろ…』


「あーその八咫烏さんと妖精さん達はもしかすると兄さんの関係者かも知れないので放置で。会話等できるのならクッキー等甘いものを渡して感謝してあげてください」

 そう言うと『巫女様の関係者ェ…』とコメントされまくった。解せぬ。


「羽田方面が騒がしかったようですが、大丈夫でしたか?」

 僕が問うと殆どの視聴者さんは関係なかったようで一安心だ。

 ただ、妙なコメントが散見された。


『コミュニケーションを取ってくる影の人が怖くて逃げました』

『親しげに接触を試みてくる影人間が怖い』

『影人間良い人だよ。話し相手になってくれる』

『影人間?何処の国だ?』

『僕追いかけられました!』


「俗称『影』なのかドッペルゲンガーなのか…良く分かりませんが、警戒等はしておいてください。妖怪はモノにもよりますが許可が無いと屋敷内へ侵入できませんから。あと、話し相手になってもらっている貴方は成り代わりを警戒してください」

 喋り掛けているので『影』ではないと思うけど。

 命を吸うタイプと余命宣告をするタイプ…どちらも一緒ではある。

 影蛭やドッペルゲンガーのような寄生、乗っ取りタイプは本当に気を付けてもらわないと。

「ところで、世界情勢ってどうなっていますか?」

 その問いかけに視聴者さんは待ってましたとばかりにコメント欄が流れた。


『ダンジョンは減ったけどモンスターがそこそこ動き回る世界になった』

『エセファンタジー世界に紛れ込んだ感満載』

『そんなに変わらない感じ』

『家に帰りたい』

『モンスターが町を占拠したりしているから大変』


「最悪の状態から少し改善された状態、ですか…」

『ゆーちゃんただいま!』

『そしてみんなおまたせ!』

 突如ゆる姉様とせお姉様の映像が出た。

『審議の石板再起動するよ!』

「そう言うのは自分のチャンネルでやってくださいませんか?」

『向こうはまだスタジオ用意してないの!』

「ここでやれば良いじゃないですか」

『そうだけどさぁ…』

「で、再起動がどうしたんですか?」

『あっ、審議の石板を再起動させるんだけど、新しい機能も付けたからその告知』

 お二方はにんまりと笑う。

『食べ物などの交換以外に結界拡大機能も搭載したよ!』

『あと都市間結界連結機能も搭載したから結界が干渉することもないし、邪敵意認識機能も1ランク上げたから今後結界内を彷徨く悪意あるモンスターにダメージを与えられるよ!』

『まあ、再起動させたら拠点から一気に展開されるから今居る悪いのは弾き飛ばされたり消滅するけどね!』

『ゆーちゃんに感謝するように!これまであまり協力できなかった神々がゆーちゃんに感謝ということで協力してくれたんだから』

『あと、審議の石板の設置場所が少し増えるよ!ただこれは随時増やしていくから』

『そしてそして…創造神方が超頑張った!対ダンジョン勢力と資源確保のために…神造ダンジョンを、作ります!』

 コメント欄がもの凄い爆速で流れ出した。


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