525話 先手、兄者無双 後手、天之御中主の生態
僕の部屋と神域で夕ご飯を用意して…
全員に無茶苦茶むさぼり食われた。
予備の飯櫃すらも全部食べ尽くされた。
箱庭のみんなの分まで無くなったので…戻ったら全力で作ります。
で、伊都子さん。
泣きながら食べるのはちょっとどうなんですかね…いや喜んでいただけてなによりなんですけど…
現地解散をし、僕は箱庭へ移動する。
と、
「ああ、夕飯出来てるぞ」
エプロン姿の兄さんが炊事場に立っていた。
「兄さん、なんで僕が料理作っていないって分かっていたの?」
「作ったけど、みんなに食べられたんだろ?客も多かったようだし」
何故、知っているのかな?
「連絡があったんだよ。食べ過ぎたって」
誰からだろう…
「祓戸神から」
ああ、反動が凄かったんだろうなぁ…
「ユグドラシル神と共に我を忘れて食べたそうだ」
「僕の料理には危ない成分でも入っているのかなぁ…」
中毒症状や依存症とか…
「あー…
いやどんな成分なの!?
食事を終え、今日の出来事を共有する。
今日のお夕飯は兄さん特製のオムカレーチャーハンでした!
ただし、カレーはレトルト。まあ仕方ない。でも美味しかった!
佑那は刑罰続行のようで淀んだ目をしている。
「ああ、沖縄のアレは破界の檻だったのか…あと、人間は結構数生きているぞ」
「「えっ!?」」
「少し問題があってすぐには壊せないが…壊すなら高出力の3点攻撃で壊せる」
なんかアッサリ回答が!?
「ただなぁ…俺が入ったのは3年前か…ライフラインがほぼ死んでいたから中型魔水晶を発電所に設置して魔石式の水瓶をダム2箇所にぶち込んだが…」
「いや兄さん何やってるのさ!?」
「医療物資が無かったから恐らく人口はそこそこ減っている可能性もある」
「兄さんは出入り出来ないの?」
「出るのはかなり面倒だ。あと、無理に壊した場合、内側から壊した種と起動させた種が同じだった場合は中の同一種は全て死に絶える」
「「!?」」
「腐っても対神罰用。権能含め強力なジャミングが掛かる一定以上のスキル、アイテム類は使用出来ない。転移もだ」
えっ?じゃあ兄さんはどうやって出たんだろう…
僕の疑問を何となく読み取ったのか、兄さんは「どうやって出れば良いと思う?」と聞いて来た。
僕は分からず首を振ると「檻に入れられた時、どうやって出れば良いと思う?」と聞かれた。
「えっと、閉じ込めた人を呼んで開けてもらう?」
「まあ、それが普通だろうけど、それがトラップだった場合は?」
「どうにかして檻をこじ開ける?…あ、でもそうしたら駄目なのか」
これ、無理すぎない?
「転移も出来ず、仙術の類も出来ない。ただな…人の力なら何とかなるんだ」
いや無理すぎない!?
「拳で空間を割って檻の感知外に出れば即転移。これで何とかなる」
「常人にそれを求めないでもらえないかなぁ!?」
「気を使うのは大丈夫ではあったが、それに頼りっぱなしだと禁止にされる恐れがあったからな…拳で。次出る時は手刀でやってみるが…」
兄さんだからしょうが無いと言うレベルじゃない。
「佑那も多分頑張れば」
「私に振らないで!無理だからね!?」
「やっぱり兄さんが日本の原初のダンジョン攻略者?」
「いや、アレは天之御中主の仕業だろうな…単騎でそういうことが出来るのは。少なくとも1階で見た須佐之男命には出来そうも無かったからな」
「ただの酒カスの親玉な主神様じゃ無かった!?」
「国内の知られていないようなダンジョンを午前中は潰して回っている神だぞ?」
「午後は?」
「昼から夕方までは換金して夕方から飲んだくれ」
───何故、その生態を知っているんですかね?兄さん。
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