389話 出撃!と緊急救援要請!
朝、出社準備を終えてフロアに出ると巽さんが書類を持って待っていた。
「姫様。許可証と現在展開中の部隊情報をお持ちしました」
「ありがとうございます。あと数日は掛かると思ってたけど…早かったですね」
「本来であれば昨夜中にはお渡しできたのですが…会議が馬鹿みたいに難航していたようで」
───うん。馬鹿みたいを強調するレベルだったんだね。僕分かった。
書類を受け取り、部隊情報を見る…けど、良く分からないっ!
「白城さん、メリアさん」
僕は、助けを求めた!
「「こちらに」」
白城さんとメリアさんが現れた!
…うん。僕疲れてるな。
そんな馬鹿馬鹿しいことを考えながら部隊情報を二人に渡す。
「現在展開中の部隊情報らしいけど、行きたい所はある?」
「少々お待ちください…メリア。近畿経由で四国には?」
「近畿はまだ余裕があると思うが、四国はカウンターを受けて壊滅間近だろうな」
「道路は寸断されているが…行けるか?」
「そこは問題無い。ただ、物資の数がなぁ…医療品は本部の倉庫にあったから問題は無いが、食料が200人分しか余剰分が無い」
「今日も200追加される。問題無いぞ」
「今から出れば…大体8時間か。急ぎ部隊編成をする」
「岩崎様…いえ、主様。準備ができ次第出発致します」
「あ、うん。その際はスタジオに居るゆる姉様かせお姉様に声を掛けてください」
「畏まりました」
「マスター、四国の二部隊を救援後は戻ってきた方が?」
「うん。試験運用みたいなものだから、一度戻ってきて欲しいな」
「分かった。土産話は期待してくれ」
メリアさんはニィっと笑い敬礼をした。
「…凄いですね…姫様が指示を出さずとも自己判断で動くとは…」
協会へ向かう途中、巽さんがポツリとそう呟いた。
「それだけ僕にも責任が掛かってくるから気を引き締めないと」
「 」
巽さん?今、何て?
巽さんの微かな呟きに反応した時、着信音が車内に響いた。
ディスプレイには探索者協会と表示されている。
「───はい。巽です」
『巽、今岩崎と一緒か!?』
声の主は課長だった。
「はい。一緒です。今駐車場に入った所ですが」
『青森の部隊と東北支部の合同部隊が強襲を受けたらしい!出来れば緊急で応援を送って欲しいと自衛隊から救援依頼が来ている!』
………巽さんと顔を見合わせ、僕らは急ぎブースへと向かった。
「おはようございます!課長、強襲とは?」
ブースへ駆け込むと課長が険しい表情でみんなに指示を出していた。
「ああ、二人とも、来てすぐで申し訳ないが、十和田湖周辺で強襲を受け現在応戦中とのことだ。場所が場所だけに応援も厳しい状態だ」
連絡ができるだけまだ余裕があるというべきか…しかし考える時間は無い。
「タイムさん。メリアさんはもう出たか確認お願い」
タイムさんに確認してもらい…
「出たらしいッス」
秒も掛からず即答された。
「…白城さんに部隊を送れないか確認お願い」
「了解ッス」
「…タイミングが、悪かったか…」
うめき声を上げる課長。
そして1分経たないくらいでタイムさんが姿を現した。
「神兵さんが天馬で目的地まで自分を乗せて送ってくれるそうッス。そうしたらゲートで送り出すことも可能ッスよ!」
「!?」
微かな希望が見えた!
「タイムさん。天馬の移動速度はどれくらいなのか聞いてもらっても!?」
ここから目的地までは5~600キロくらいだと思う。
「実家からサンクロワ大聖堂まで1時間半かからないくらいらしいッス」
───なるほど分からん!というか実家って何処!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます