360話 国際情勢と立場

 箱庭に戻ると石長比売様と課長がもの凄く意気投合していた。

 うん。多分相性はいいと思っていたけど、ここまで良いとは…

「ああ、岩崎。姫様を裸で抱きしめたって?」

「フニャッ!?それは言わない約束っ…してなかった、ね」

 ガールズトークの中に居る僕はなかなか辛いんですが!?

「あの、課長。そろそろ時間なので…」

「ああ、そんな時間か」

「えっ?」

 寂しげな顔の石長比売様に課長は少し困ったような顔で僕を見る。

「石長比売様。課長はマンションに住んでいるので仕事以外ではすぐに会えますよ」

「…私、頑張る」

 うんうん。目標が出来るのは良い事です。

「さて、行くとするか」

 課長が立ち上がる。

「はいはいゲートオープン」

 タイムさんの代わりにフィラさんがゲートを開けてくれた。

 そして会議室に戻ってきた僕たちはブースへと戻る。

「岩崎。ありがとう」

「?」

「食事だよ」

「いえいえ。ついでですよ」

 僕は席に着きながらそう言うと課長は困ったような顔をする。

「岩崎の分を、私が食べたんだろ?」

「?いえ、僕ほとんど食べないので」

「!?」

 兄さんが作ったものを食べて以降、何食べたかなぁ…ああ、味見はしたか。

 さて、国際情勢の確認をしますか…



 ヤヴァかった。

 3カ国ほど神敵になってるじゃないですか…

 しかも当たり前のようにスタンピード起きているどころか、関係ない所からも出てきているとか…

 昨日の時点で先のスタンピード等で7カ国の政庁などからの連絡が途切れたらしい。

 ───これ、ほぼアウトじゃないかな?

 この国は食料含めかなり輸入品に頼っているんだけど…これ、無理じゃね?

 武器関連もあまり国内で作られていない。

 あまり、なので作られてはいるものの、結局のところ資源の限界問題で大量に作れない。

 弾丸そんなに効かないけどね!

 もう昔に戻っても良いんじゃないかな?あとは兄さんみたいなトンデモ人間が大量に出てくる事を祈る。

 さてさて…ん?

 岩崎友紀について?

 現在協会所属ではあるものの、外務省・中務省・内閣府共同で身分を保障している…?そうなの?

 外交特権についてなどかなり色々書いているけど…国としては僕は絶対に守らなければならない人扱いのようだ。

 ただ、僕は既に人間から神になってしまったんですけどね…うん。

 法律上どうなるんだろうか…

 あ、なんか僕に関する予算ってある…けど…えええっ?

 年40億って何!?

 かなり無茶苦茶なんですが!?

 神様に対してなんだろうけど…

 ファイルを閉じる。

 最後辺りのは見なかった。

 佑那の保護プログラムとか。

 佑那に勝ってから言って欲しい。

 今なら確実に軍と戦えるよ?佑那のお友達がタッグ組んだら更に恐ろしいことに…

「どうした?」

 課長が僕の様子がおかしいことに気付いたのか心配そうにこちらを見る。

「佑那の保護プログラムってあるんですが…アレを止めるなんて無茶できるのかなぁ…と」

「ああ、確かに無理だな。海自でも止められない海坊主や幽霊船を即始末していたなぁ…」

 あ、課長が遠い目をしてるぅ…


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