358話 謹慎解除と状況把握
おはようございます。
本日より出勤できるようになりました。ひゃっほう!
朝食をサクッと作り、昼食は……お昼休みに戻って作るね。
でも下準備はしておく。
チキンやわらか南蛮30枚とご飯4升。
2升は神様方、1升は神兵さん方、もう1升は佑那達。
全ての下準備も完了。さて、出勤しますか!
「今日は私が担当だ」
と言うことで今日は課長と通勤です!
「課長おはようございます。今日からまたよろしくお願いします」
「ああ。ところで、元の姿には戻らないのか?」
あ、忘れてた…ノーマルモードにチェンジ。
「ありがとうございます。あの姿にも完全に違和感が無くなってしまっていますね…」
「それは…どうなんだ?」
まあ、僕は僕ですし。あ、でも身長が少し高くなるからあの姿もあり…かな?
課長のちょっとじっとりした視線を笑って誤魔化し、車に乗り込む。
そして何事も無く協会に到着した。
いつも通りの日常の始ま───僕の机に書類が山積みされてるぅ…
「7日間の周辺及び世界情勢よ」
「西脇さんおはようございます」
「はいオハヨ。今日はずっとこれの確認をお願いね?ダンジョンは変わらずだけど、モンスターや妖怪は前よりも目撃例が増えている…とか、そういった類だからきちんと見てね」
「はい!」
と、返事をしたものの…これ、どう見てもどこぞの報告書ですよねぇ…見ても大丈夫なのかな?
午前中かけて国内の情報は読んだ。
自業自得とは言え、これはマズイ。
人に好意的な大妖のいる所か、自然崇拝など神々を昔から敬っている所以外はちょっと拙すぎません?
日本でこれだと世界はかなり怖いことになってそうなんだけど……ファイルを見る。
そんなに分厚くない。
そう、だよね。
情報が錯綜していたり寸断している所もあるしね!よし!これは午後!
お昼をアナウンスする音楽が流れる。
「課長、ちょっと出ます」
「む?私も行くぞ?」
課長が席を立つ。
「えっと、神域ですよ?」
「マンションにか?ならば余計に───」
「準備出来たッスよ」
課長の声を遮るようにタイムさんがゲートを開いてくれた。
「……ここでは無く、会議室で開いた方が良いな。目立ちすぎだ」
「ですね…うちの部署の人達は兎も角、他部署の方々が…」
「なら一旦消すッスね」
タイムさんはそう言ってゲートを消す。
そして小規模会議室に入り『重要会議中』の看板を貼り、ロックをする。
「では、ゲートオープンッス!」
「あの時は一瞬だけでしたが…箱庭神域へようこそ」
僕はそう言って課長を伴って箱庭へと入った。
「っぐ!?」
入った瞬間に右足を半歩下げるだけで耐える課長。
「大丈夫ですか?」
「…大丈夫だ、とは言いがたいが、動ける」
流石課長。
立ち止まっているのも時間の無駄なので屋敷に向かって歩き出す。
「ここは…何処だ?」
「神域です」
「神域…マンションの神域以上の神気に満ちているな」
「そうなんですかねぇ…まあ、そんなことよりも今日のお昼はチキン柔らか南蛮です!」
「これから作るのか!?」
「下拵えは終わっているので20分あればいけます」
「…その20分で何人前を作る気なんだ…」
恐る恐るといった感じで課長が聞いてくる。
「30人分ですねぇ…」
「……それでも1時間は掛かるだろ…」
いやいや、同時並行で行うので、そこまでは掛かりませんよぉ?
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