320話 ???〜再び呪人族の町へ…
「まあ、妾はそう簡単に消えぬがな」
ため息の後にニヤリと笑う女神様。
───うん。貴女は省エネモードしてますし、そう簡単には消滅しないでしょうねぇ…
「で、なんで笹食べているんですか?」
「ああ、これか?ぬしの兄に言われたから…というわけではなく、エナドリ味じゃからな。つい最近作った!」
ドヤ顔で笹を食む女神様。
「…そりゃあ食生活も乱れますよ…」
「きちんと栄養補助と疲労軽減、内部損傷微回復機能も付与したスーパーエナジーフードじゃ!」
「絶対自分では食事を作らないという強い意志を感じるぞぅ!?」
でも栄養補助と言っている時点でちゃんと食事取らないとダメってことなんですけどねぇ…あと、犯人兄さんでしょ?
チラリと兄さんを見る。
「───笹も、あの神域に植えたら良いんじゃないか?」
そんな透明な笑み言われても騙されませんよ!?
これも植えますけど!
さて、今日もやってまいりました呪人族の町へ。
そして昨日のお姉さんと軍人さんっぽい女性が2名いた。
「あ、お姉さん」
「神様ッ!」
「えっと、僕は確かに神ですけど、こちらの世界の神の許可をいただいて来ているだけですので…」
軍人2名はキョトンとした顔で僕たちを見る。
「む?そうなのですか?」
「はい。ああ、あと、今日は呪人族からの攻撃はなかったと喜ばれていました」
「「「………」」」
あれ?3名とも、顔色が悪いですよ?
「友紀…今まで良かれと思ってやっていた事がとんでもない事だと分かってしまった瞬間だ。少しソッとしておいてやれ」
えっ?
「…あの、我等が神は何故我々の事を…」
「あー…前に色々手を貸していたら一部の種族が「我等こそ最も神に愛された一族なり!」とか言い出して他種族を滅ぼした後に疫病で絶えたらしいんです。
それで創り直しはしたものの、手を出さないように見守っていたら…何故かそれぞれが勝手に決めた神を崇め始めた挙げ句攻撃してきたと」
「「「………」」」
あ、また落ち込んだ……って、近くに居た人達も聞いてた!?
周辺一帯が失意体前屈をする人で埋め尽くされていた。
「これはひどい」
「兄さん…やっぱりここでも通常は降臨出来ない?」
「出来ないな。数名連れて行くのが限界だろうな」
どうしよう…
「ちょっと確認してくる。友紀はここで待っていてくれ」
そう言って兄さんは転移した。
数分後───
「2名の同行なら良いと許可取ってきたぞ」
転移してきて開口一番そう言ってきた。
「補佐官殿」
「…ええ。私とヨーフェ都市防衛軍務官が…」
えっ?お姉さんお偉いさん!?
「分かった.友紀はどうする?」
「んー…僕はまたここで麦茶とか香煎粉で何か作っておくよ」
「分かった。では行ってくる」
兄さんはお姉さんと軍人さんの二人を連れて転移した。
「さて…僕は麦茶から作ろうかな」
『お手伝いする!』
「マイヤ。いつもお手伝いありがとう」
マイヤの頭を撫でて空間操作で仮想キッチンを作り出す。
さてさて、麦の可能性をどんどん見せていこうじゃないか!
……お米類があればもっと色んな事が出来るんだけどなぁ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます