299話 3day PM4~兄さんの報酬

「おー…敵陣目掛けて飛んでいったねぇ…このままだと自軍にも被害が及ぶのは確実なのにねぇ」

 発射されたミサイルは敵陣へと向かう───途中失速をして自陣に落ちていき、爆発すること無く着弾した。

「土煙が勢いよく上がっただけという超重量兵器だ」


『えっ?』

『えっ?』

『不発?』

『しかも途中極端に失速しなかった?』

『そこまでは気付かなかった』

『何事?』

『いやそれよりもガチでミサイル撃ちやがったことに言及しようや』


「良いコメント!不発というか、自分たちの手に負えない代物を使おうとしたから不活性化させて、起爆もちょこちょこっとね?」

「それと白獅子ニキが前回依頼受けた報酬とて要求されたのがこれらのものさ!」

 ゆる姉様がそう言って契約文書の内容を公開する。

「核兵器等汚染物質を含む危険兵器を使用、またはそれらによる問題行動を起こしたした国へのペナルティ要求を行う。

 これらを使用または問題行動を起こした場合、即座にその国・組織が所有する同危険兵器及びそれらを利用した施設の機能停止を神々の権能をもって行うこと」

 うわぁ…それって…核使ったら原子力発電所使用停止になるって事じゃあ…

「今使ったのは戦略核なので核関連はすべて使用不可になりました~」

「おめでとう!僕らは子どもだから水素だ中性子だなんだって分かんないからまとめて核兵器!だから核関連は全部駄目!」

「というわけだから!流石白獅子ニキ。私達に出来ないことをやってのける!」

「「そこに「ああ、ゆーくん。そう言えば妹さんには取り込み中だから少し食堂で待つように伝えてあるぞ」…」」

「ミツルギ姉ありがとう!」

「「………」」

 何か言おうとしていた姉二名はミツルギ姉に台詞を遮られてジト目でこっちを見る。

「じゃ!用件は済んだみたいだから!」

「私も戻って作業をしなければ…」

「「………」」


『まさかのネタ封じwww』

『大草原不可避www』

『こwれwはw』

『話の落差に風邪ひき多数www』

『www』


 コメント欄が凄い動いていたけど、そんなことよりも迎えに行かなきゃ!



「お待たせ~!」

 食堂に駆け込むとドリンクを飲んでいた佑那達がこっちを向いて固まっていた。

「アレ?どしたの?」

「えっ、とぉ?…友紀兄さん?」

 動揺しているのか、絞り出すような声の佑那。

「そだよ?」

「いや、あの、確かに女性の…ああ、うん。ごめんなさい男性の姿でお願いします」

「もう、しょうがないなぁ」

 佑那に謝られたので男性の姿になる。

 ただしアブノーマルAで。

「はい!これで良いでしょ?」

「「「「「かはっ!?」」」」

 佑那含めた全員が胸を押さえてプルプルし始めた。

「おぉやだ…兄さんが可愛すぎるぅ…お姉ちゃんって呼ばれたい…」

「あ、そうだ。みんな今日お泊まりって話は聞いてる?」

「スルー!?兄さんスルー!?」

「………ふぅ。ええ、結羽人さんから聞いています」

 小さく息を吐いた静留さんが佑那の代わりに答えてくれる。

「良かった。二部屋確保しているから心配しないでね?」

「えっ?大丈夫なのですか?」

「神様が二部屋追加してくれたから大丈夫ですよ」

「……とんでもないですね。いえ、この建物に入った時点で色々思い知りましたが…あ」

「?」

「お姉様がショタった!かーわーいーいーーーーー!」

「ふみゃぅ!?」

 突然背後からアディエーナ様に抱きつかれた!

「アディエーナお姉ちゃん!?」

「はい!あなたのアディエーナお姉ちゃんです!」

 あ、駄目だこれ。暴走モードだ…

 多分僕の眼はハイライトオフモードになっているんだろう。静留さんが「うわぁ…」って顔してるし。


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