101話 激闘~求むキッ〇ンスタ〇アム規模のキッチン

 お夕飯の準備をしなければならない。

 キッチンの前に立ち、考える。

 大根サラダにマルゲリータ、海老メインのブイヤベースとサルティンボッカ…付け合わせはマッシュポテトで良いかな。デザートはアイスクリンがあるし、なんちゃってアフォガートできるかな。

 僕のレパートリーだとこれが限界かなぁ…

 アクアパッツァやステーキでも良かったけど、それっぽさを出すのと量ならこれかな…

 よし。覚悟決めて頑張ろう!…その前にメイドモードで気を引き締めないと!


 ~~メイド全力調理中~~


 時短が無理なら力技!流水を循環させて汚れ取りをして、水気切りをする。

 作業工程が多くて大変!またもや空間操作が大活躍ですよ!?

「お手伝いします!」

 横から声がしたけど、ウェスタ様はまだ本調子ではないはず。

[済みませんがその前にそちらのワインを飲んでください!]

「ふわっ!?はいっ!?」

 ピッツァは生地は三枚、いや六枚は必要かな…四等分して24切れ…流石にプリモピアットで全力出さないよね?…いや不安だな。いいや。八枚分作ろう。

「えっ!?なん、で?力が…神官長や巫女達が全員祈ってもこんなには…」

 サルティンボッカは確かローマだったかな…あ、念のためにご飯炊かなきゃ。水を少なめにして…

「あのっ!」

[動けますか!?]

「はいっ!」

[サルティンボッカは作れますか?]

「はいっ!」

[ではそちらのキッチンを使ってください!]

「えっ?でも貴女は…」

[空間操作でどうとでもなります。量は…20人分覚悟でお願いします!]

「そんなにいるんですか!?」

[そんなに(大量に食べる人が)いるんです]

 いるんです(強調)

「師匠!大丈夫ッスか!?手伝いに来ました!」

 タイムさんとフィラさんが来てくれた。これで勝つる!

[ナイスタイミング!ゆる姉様の所にいってエスプレッソマシン探してきて!]

「はいッス!」

「私は何か手伝えることは…」

[お使いお願いしても良い?スーパーなんだけど、コーヒー豆を]

「ええ。分かったわ」

[はい、お財布!そこまで急いでいないから安全第一で!あ、気になる物があったら1000円までなら買って良いよ。お駄賃ね]

「行ってくるわ」

「悪魔を平然と使役している…?えっ?師匠?」

[意識が逸れています。食べて戴く方の事だけを想って作ってください!]

「はっ、はいっっ!」

 ピザは…空間内に仮想ピザ釜を用意して生地を温めながら寝かせれば…よし。20分くらいでOK。

 っと、寸胴は横に置いてフライパンを…


 ~~メイド&家政神調理中~~


[アイスクリンが予想ではあと二人分くらい足りない。作り足さなきゃ…]

「えええええ?」

「師匠、セットできたッス!」

[タイムさん、アイスクリンの作り方は覚えてる?]

「材料と作り方は。ただ、あんな作り方は無理ッス!」

[じゃあ準備だけでもお願い!]

「了解ッス!」

「戻りました」

[お帰りなさい。コーヒー豆はその機械の隣に置いてください]

「何か手伝えることは…」

[そろそろお皿の準備をお願い。大根のサラダをすぐに作るから。あと、サルティンボッカの皿と人数分以外用の大皿も]

「了解」


[疲れた…今までで一番疲れた……慣れないジャンルの料理は辛い…]

「えっ?慣れ、ない?」

 ウェスタ様が目を見開いている。

[はい。少なくともブイヤベースに関しては二度目ですし、ピザは…作り方は知っているというレベルでした。一応は小さな物を作ったことはありますけど…]

 うん。アレはピザとは言わない。

「…………」

「流石は師匠…化け物ッスね」

「褒め言葉ではない気がするけど、その言葉が一番しっくりくるわね」

[皆酷くないですか!?っと、ピザが焼き上がるようですので皆さんに声を掛けてください]

「「了解」」

「えっと、私は…」

[突然こき使って申し訳ありませんでした。ダイニングテーブルへどうぞ]

「ええっ?、あ、はい…」


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