99話 軽食~ただし僕はダウン中で何もできていない件

 ガラスの器にアイスクリンを盛って、その上にミニラングドシャなどをトッピングしていく。

 まだフラフラする…と言うよりも悪化している?

「師匠。お手本があるのであとは自分たちでするッス!師匠は少し休んでいてください!」

[御免ね…少し横になる…]

 僕はリビングのソファーに倒れ込む。

「おやつー…って、ゆーちゃん!?大丈夫!?一緒に寝る?」

 声からゆる姉様だとは分かるけど、今目を開けると世界が回って見えそうなので目を閉じたまま答える。

[ちょっと、目眩がしているだけなので…休ませてください。おやつは用意してありますから]

「いやいや!君の方が大事だよ!?」

[ありがとうございます。でも、アイスクリンなので、早く食べて欲しいです]

「う~~~~っ!じゃあ食べたあとでちょっとチェックするからね!」

[はい…]

 その後も皆に散々心配されたけど、なんとか皆おやつを優先して貰った。



「はぁ…ゆーちゃん、馬鹿でしょ。まあ、細かい説明しなかった僕達も悪いんだけど…でも、出来るなんて思わないからね!?」

[済みません…]

「空間操作を同時に7操作しながら時間経過をしてのけた?君はどれだけ無茶な事をしたのか…いや、それ以前に何故出来たのかを知らないととんでもない事になる」

[えっと…時短さえしなければ全然問題無さそうでした…]

「は?(マジトーン)」

[ひにゃっ!?]

 鼻ッ!鼻つまんでるっ!

「き・み・は・ど・れ・だ・け・す・ご・い・こ・と・を・し・て・い・る・の・か!…分かっていないね?」

 う~~~~~っ…

「ゆーちゃんにそこまでの力は無いと思うんだけどなぁ…」

「………スマン」

 突然隣にいたミツルギ姉様が謝ってきた。

「えっ?なんでみっちゃんが謝るの?」

「多分、私の血を飲んだからだと思う」

「………えっ?」

「ゆーくんが、私の血を飲んだからだと」

「じゃあ、もう、ゆーちゃんって半神?」

「いや、そこまではなっていないと思うが…」

「属性相性とポテンシャルお化けに神域ブーストと君の血でそんな馬鹿みたいな事が出来る?…演算結果でもそれは不可能って出ているんだけど?」

「ただ、出来ているんだが…」

「ゆーちゃんのポテンシャルが超人通り越して神レベルとか…」

「恐らく…いや、これは確信だが」

「なあに?」

「ただし料理等家事一切に限る、と注意書が出ていそうな気がする」

「…………やばい。ありえそうと一瞬でも思ってしまった」

「私の戦神としての勘だが、それが正しいと」

「それが答えじゃないですかヤダー!」

 誰かが僕の額に指を這わせている。

「今、少しだけ力を送る。受け入れてくれ」

[うん。ミツルギ姉様…]

 額から温かなナニカが目に、こめかみに、頭部全体に広がっていく。

[姉さんの優しさ…温かい]

「…うちの所では試練だ何だと倦厭されているんだが…」

[それはミツルギ姉様の優しさを知らないからですよ…ほら、僕は目を開けて起き上がれるまで回復しましたよ?]

「…うん。ゆーちゃんは規格外。兄妹だもんね。覚えた」

[いや、ゆる姉様。そこは納得しないでください。

 兄さんならもっと斜め上の回答を導き出してやらかしますから]

「「否定できない……」」


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