96話 昼食~貴女様をお子様にしてやろうか!
全員が席に着き、お皿に普通に盛られたミートボールスパゲッティとエビフライを見た後、テーブル中央に大皿にこれでもかと雑に盛られた大量のミートボールスパゲッティを見て僕の方を見る。
…約三名ほど目を輝かせているんですよねぇ…
[おかわりはその大皿からご自由にお取りください。エビフライはそれで全てなので…済みません]
「いっただっきまーーーーす!」
せお姉様が我慢できずに食べ始めたよ…
「うわ、美味しい!」
「流石師匠ッス!これいくらでも食べられそうなおいしさッス!」
「兄さんの進化が止まらない…!?」
「ビールが…飲みたいっ!」
[はい。ビールとノンアルコールビールですよー]
「うちの妹が優秀すぎて辛い…」
ミツルギ姉様、泣かないで?
「巻き取って…お皿に!」
「まさかダマにならない!?」
───絶対やるだろうなと思って、盛り方含め、結構気を使ったんだよ?雑に見せるのも技術だよ?
ワイワイと楽しみながら昼食は無事終わった。
修行組も疲れた顔はなく、元気そうで良かった。
───尚、目を輝かせていたのはせお姉様、佑那、課長の三名でした。
食事も終わり、三人は再び修行のため奥へと行ってしまった。
手早く後片付けを終えてさてどうしたものかと考える。
今晩何を作ろう…
[ゆる姉様、今晩食べたいものとかありますか?]
「ん~?…さっき食べたものってイタリアン?」
[まあ、イタリアンっぽいアメリカン、なのかと]
「じゃあイタリアンな料理!」
おうっふ……イタリアンはレパートリー少ないぞぅ?
そして魚介類、特にエビも足りない。
[買い出しに行かなきゃ…]
「師匠、お供するッス」
「私達は護衛だから当然では?」
「違うッスよ。人の姿となってお供するんスよ」
「えっ?」
タイムさんの台詞にフィラさんが一瞬固まった。
「師匠一人だとぜっったいに絡まれるッス。だから自分とフィラで師匠を警護するッス」
「あー…了解しました。では格好もあの巽って人と同じような姿が良いかしら?」
「そッスね!」
嬉しそうに笑うと一瞬で姿を変えた。
「こんな感じッスかね」
男装執事(見習い)確定ですわ。
「では私も…」
フィラさんも姿を変え…サングラスの似合う男装の麗人が姿を現した。
「まあ、少し動きにくいですが、いざとなれば元の姿に戻れば良いので問題ありませんね」
「荷物は自分らが持つのでその格好でも大丈夫ッスよ!」
[そうですか。では、いきましょう]
「「はい」ッス!」
さてやってきましたいつものスーパー
途中、ちょっと変な人が寄ってきていたものの、フィラさんがスッと目をやるとその人はフラフラと別の所へと行ってしまった。
「ただのナンパ師、駆除対象です」
と、それ以外は特に何もなくスーパーに着いたんですけど…
「こんなお店が欲しかった…」
タイムが歓喜の涙を流しているんですが?
この子大型食料品店とか行ったら五体投地しかねないな…
「この店の物全て買えば良いんッスか!?」
[いやいや、数日分買うだけですよ…足りない物メインで]
「了解ッス」
ガッカリしたタイムさん。
まあ、明日巽さんに予定がなければまとめ買いに遠出しよう。
20分ほど店内を回り3万6千円分購入した。
レジの人が心配そうに「持てますか?」とタイムさんに聞き、「大丈夫ッス!」と普通に持ってみせるワンシーンもあったが、無事スーパーでの買い出しは終わった。
あとは───酒屋とあの洋菓子店に行こう。
僕達はスーパーを出た。
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