67話 TS化した僕は午後も鑑定を頑張る

 気持ちを切り替えて午後の鑑定大会を始めよう。

 職員はまだ全員きていないけど、アウトそうな物だけ先に見ておこう。

 ポーチから出てきた物は…仏像?とは何か違う…


【回避の木像】:元は普通の聖女像だったが、何者かに延々ヤン〇ーニ100分耐久10セットを聞かされながら前所有者が回避し続ける光景を見て開眼。とある曲が流れている場合に限り像の加護により尋常ならざる回避行動が取れる。

 

 ───兄さん。聞かせただけじゃなくてやって見せたのか…

 そっと僕の隣に設置された【取り扱い注意】ボックスに入れる。

 こんな類がポンポン出てくるから鑑定が止まるんだよなぁ…


【グラサン軍人のフィギュア】:何の変哲もないグラサン軍人のフィギュア。ただし、空間干渉スキルが籠められているため、相手を投げる時のみ投げ間合い判定が広がり、自身の限界許容重量の三倍までは投げる事が出来る。

 

 ───これは、兄さんの仕業なのか微妙な判定ラインだけど…兄さんだろうなぁ…

 まだマシな部類だと思いたいのでそっと巽さんに渡す。

 その後暫くまともなアイテムが続き、


【舎弟像】:自分、結羽人アニキの舎弟ッスから!アニキの妹さんッスか!?

 であれば兄貴が居ない間全力で盾になるっす!

 下級邪神以下の攻撃を弾く(有効ダメージ下級邪神5発分)

 

 何か出た!?しかも語りかけてきた!?

「姫?」

[えっと…この像はちょぉぉぉっと特殊すぎてうちの一族しか扱えそうにないのでここに置いておきますね…]

「それは…どのような」

[自称兄さんの舎弟らしいです]

「…は?」

[しかも、この像の効力は下級邪神以下の攻撃を弾くらしく、最大で下級邪神の攻撃5発まで無効化できるらしいです]

「はあっ!?」

[ただ、さっきも言ったようにうちの一族以外は言う事聞きそうにないので…]

 そっと【取り扱い注意】ボックスへ入れる。

 

 ~~2時間後~~

 

 午後3時になりました。ようやく終わりが見えてきましたが…

 今手に持っているトンデモ像に僕はちょっと頭を抱えたくなっております。


【拗らせた女神像】:太古の昔、邪神に敗れた女神が封印された像。助けてくれる王子様を待ち望みすぎて理想が限界突破し、理想に届かない場合は神罰を下す厄介女神像。救出した前所有者にガチ恋中。

 ワンポイント:後で神域に持って来てください。きちんと教育します。


 ………兄さんにガチ恋女神キター……どないせいと?

 何も言わずそっとボックスにin。

 そして何事もなかったかのように次のアイテムを取り出s───


【リリートゥの像】:サキュバス・リリートゥが自らを封じている像。

 前所有者に敗北し、「この中に入って反省しろ」と言われたのでプレイの一環として喜々として封じられる。なお、何故か、何故か善良なモノとなっている。

 ワンポイント:ゆーくんのボックスに入れて確保しておいてください。


「ひっ、姫?姫!?」

 巽さんがチベスナ顔で女性像を見つめている僕に何か危険を感じ取ったのだろうけど、半分正解なんだよなぁ…

 今日は神様と悪魔をお持ち帰りかぁ…

 2像をプライベートボックスに叩き込み、ため息を吐いて次のアイテムを取り出した。

 そしてその後20分程で全部のアイテムを取り出す事に成功した。

 ───金額は、二ケタ億円に達してしまったらしく、少し時間が欲しいとの事だったが、危険物以外は引き取ってくれるということで無事鑑定大会は終了した。


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