第48話 「我が同胞シチュウ人! そして全ての宇宙市民の理想郷・ナゴウム条約連盟よ、永遠なれぇ!」

出典:「シュヴァルツシルトW2」



連盟の主導権争いに敗れ、無条件降伏を余儀なくされたバハ自由共和国大統領・ハルコーネンの、自爆直前の最後の叫びより。

この手の最後の「永遠なれぇ!」的な台詞は、特撮等で子供の頃より数知れず見た覚えがあるのですが、例え台詞自体がありがちな物であろうとも、そこに至るまでの積み重ねによっては、ここまで心を動かされるのかと驚いたという意味でも、忘れ得ぬ台詞です。


密かに彼を支援していたサン=ギデオン教団からの「直接武力介入」の提案を、「宇宙市民社会の独立を守る」為に言下に撥ね付けて自らの破滅の方を迷わず選んだ気骨。

自分に打ち勝った「好敵手」に対し、無念の想いと共に称賛と未来への希望を見出し、種族に及びかねない敗戦の責任を「自分の野心」に矮小化して引っ被るために自死を選んだ冷徹さ…

まさに「異星人種の星」の名に恥じない巨人でありました。

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