第14話 南校番長の俺。進学塾に行ってみる。


「ここが、東進学塾か」


「ええ。ここです。さ、行きましょう!」


 朝話してから、その足でやって来た。塾!


 結構デカいそこに、俺、沙紀、リリアが入っていく。


「1階は、喫茶店とか、コンビニなんだな」


「ええ。そうですね。塾は二階なので、中のエレベーターか、エスカレーターから入ります」


 説明を受けながら、俺達はエスカレーターで2階へ。


 東進学塾と書かれた自動ドアのある、デカい教室っぽいのが見えた。


「じゃ、はいりましょう。あら?」


「受付の人いないね」


 せやな。


 自動ドアを通って中に入ると、事務室みたいなところがあり。


 入学の方は、まずは事務室へ!


 御用がある方はこちらと書かれたボタンがある。


「多分、配達か受け取りね。塾に来る手紙や荷物、2階まで持って来るんじゃなくて、1階の配送センターにまとめておかれて、受け受けの人が取りに行くの。塾からの手紙やチラシなんかも、配達センターで送るから、受付のおばちゃんは、いなくなる時多いのよ」


 沙紀が説明してくれた。


 タイミングが合わなくて、イラついたことがありそうな言い方だな。


 気持ちは分かるけど。


「じゃ、押して待とうぜ」


 うん。ピンポーンと押しておく。


 これで分かるだろ。


 っと、思っていると!


「はいはい! 只今! あ、沙紀ちゃん!」


 事務室の奥から、おばちゃんが奥から出てきた。


「もう大丈夫なの?」


「うん! 実害はなかったから平気! あと、友達がボディガードしてくれるから。また塾きたいなって思って」


「あら、そうなの! わ! 凄く背が高く! 立派な体格! 空手か何か?」


「南校の番長っす」


「!? あ、あー、そ、そうなの、ね! なら安心だわ~。で、そちらの女の子は?」


「五十嵐リリアです。番長の六道さんと一緒に、友達の沙紀ちゃんと一緒に勉強しようと思いまして。入塾希望です」


「あらそうなの! じゃ、スマホだしてくれる? 塾アプリ入れるから」


 アプリ?


「そうなんです。この塾じゃ、手書きの書類を使わなくて。全部アプリとか、コンピューターでしてるんですよ」


 へー! ハイテクー!!!


「そうしてくれると、私も楽よー! 若い人は皆自分でできるしね! じゃ、このアプリをインストールして、名前と生年月日、学校と、緊急連絡先。保護者のスマホでいいから、それを記入すればOK!」


 ほーほー。


 ほんとだ。サクサク進むな。


 と、登録していると!


「あの、塾の料金なんですが。この1か月は無料ってほんとですか?」


 そう、リリアがおばちゃんに聞いた。


 そういや、沙紀ちゃんがそう言ってたっけ。


 それで俺も入る意欲が上がったんだよ。


「ええ。そうよ。学長が決めたわ。ほら、連続襲撃事件で、うちが関与してるんじゃないかって警察に疑われてから。塾生が何人か辞めちゃってね。とりあえず、無料で人を集めているのよ」


 なるほどな。


 沙紀ちゃんの説明と同じか。


「登録完了しました」


「はいはい! じゃ、スマホは預からせてもらうわね? 授業中はせついちゃダメだから! っで、ちょっと待ってね。

後数分で授業終わるから! それまで、自由にして! あ、教室には入っちゃダメよ! いい?」


「「「はーい!」」」


「よし! 結構! じゃ『おとどけものでーす! 配達センターへ』はいはい! 行かなくちゃ! じゃあね!」


 おお。また事務所の奥に出て行った。


 多分、配送センターへのエレベーターか階段があるんだろうな。


 これは、忙しい。


 しかし。


「預けたスマホ、使わない方がいいな」


「「え?」」


 うん? 二人は気づかんかったか?


 襲撃事件でターゲットの居場所掴んで、襲ってるの。


 このアプリで調べてる可能性あるぞ。


「「え!? あ!」」


「た、確かに! だれでも入れるから!」


「発信ウイルスとかしこんどけば、襲撃に利用できる!?」


 そういうこと。


「よ、良く気付きましたね!」


「私も気づかなかった!!」


 まァ、番長やってたらストーカー殴ったりすることもあって、そういう奴らって監視アプリの悪用溶かしてるからな。


 盗聴とか盗撮もできるし。電源切っときな。


 んで、塾終わったら一緒に南校行こう。


 こういうのが専門の、3年に見せるから。


「「あ、はい! よろしくお願いします!!」」


 おう! 任せとけ!!


 という訳で!


 危険性のあるスマホは、電源を切ったのであった。


 んで!


 ――ジリリリ!!!


 授業が終わる時間となり、教室が開いた!


「やー! 終わった! 終わった!」


「次の時間テストかー」


「やっべやってね!」


「だよねー」


 ――ガヤガヤ!!


 いっぱい生徒いるな。


 繁盛してんだね。


「そりゃあ進学塾だしね」


「北校とかは授業についていくためにも、通ている府とが多いですよ」


 なるほどなー。


 っと思っていると!


「あら、新しい人?」


「……」


「どうも! こんにちは」


「ふむ」


 塾生らしい、女二人と、男二人に! 声を掛けられたのサ!!


「ああ、無料らしいから今回からな」


「私も」


「私はもともと生徒ですよ」


「あ、そうなんだ」


「……見たことないかも」


「いや、それはしょうがないって。ひめっち」


「この塾は2~5階まであるからな。生徒数も千人を超えている。時間帯や授業によっては、知らんだろう」


 へー。そうなんだ。


 多いな。生徒。


「まァ、それはそうね! じゃ、はじめまして! 新藤王華しんどうおうか! 東校の2年よ! よろしく!」


「……二ノ宮姫乃にのみやひめのです。華ちゃんと同じ学校の、2年です」


「阿山トオルだ! よろしく!」


彼岸義男ひがよしお。よろしく」


 これはご丁寧に。


「北校の五十嵐リリア。2年です」


「北校の蒼井沙紀です。同じく2年です」


「南校の番長。六道弥勒だ。よろしく」


「「「「!? み、南校!? 番長!?」」」」


 ん?


 どした?


「いや、南校ってヤンキー学校じゃん!? しかも、番長って!? え、え!?」


「……!!!(王華の後ろに隠れる)」


 おう! タダだから、来てみた!


 よろしくな!


「あ、はい」


「いやー、ははは」


「……先に教室に戻る。勉強しとくよ」


 あれ?

 

 なんか露骨に好感度下がったな。


 っま、いいけど。


「ちょっと、何よその態度!」


「失礼じゃ」


「いい。いい。リリア。沙紀。南校は喧嘩ばっかやってるヤンキー校ってのは事実だから。そりゃあそうだって」


「「でも!」」


 いいんだよ。最終的に、実力見せつけりゃあいいんだから!


「! テストで勝つってことですか?」


「え、できるの?」


 番長舐めんな!!


 俺は、できるぜ! ええ!!


「は、そんな訳ないでしょ!」


「……」


「こっちは勉強してるんだ! 舐めるんじゃねぇ!!」


「ふむ! 馬鹿にされたものだね! 僕たち!!」


 っと、俺をバカにしつつ!


 王華たちは、教室に戻った。


 さて。


「ちょっとトイレ」


「あ、はい」


「スマホは電源切ってろよ


「もちろんよ! 席取っとくわ」


「あと10分何で! はやくしてね!」


 おう! すぐ済ます!!


 っと、トイレにいった。


 んで。


「ふー。出た出た」


 綺麗なトイレで済ませ。準備万端!


 テストで実力! 見せてやるぜ! ええ!


 っと、思っていると!!


「~~~○○○」


「×××△△△」


 なんか、聞こえるな。


 あれ、これって女子の声?


 ひょっとして!


「でさー、そのおっさんがさー、もう必死で~」


「えーうける~!!」


 !! やっぱり! 女子トイレの会話だ!!


 個室に入れば、トイレの壁が薄くて! 女子トイレの話が聞けるぞ!!


 おおお!!!


「あはは! あ、そろそろテストだ! 次なんだっけ?」


「シーツーよ! 15154433!!」


「ああ、サンキュー!!」


 ……ん?


 何の話だって!


 やべ! そろそろ時間だ! いそげいそげ!


 っと、トイレから帰って。


「あれ?」


 教室見たが。


 教室は、B-1。


 何だったんだろ? と思いつつ。


「あ、弥勒さん! こっちこっち!」


「おう! お待たせ!」


「そろそろ時間よ。あ、先生来た!」


 リリアと沙紀と、合流し! 


 結構広めの教室……なんと、カンニング対策の監視カメラがある!……っで、テストを受けたら。


「……あれ?」


 問題集。C-2。


 シーツー。C-2。うん?


「……(いや、偶然の可能性も……あれ?)」


 すらすら問題解いてると! 答えを書くマークシート! 


 1、5、1、5、4、4、3、3


 あれ? これってさっきの。


 まさか?!


 っで。


「そこまでテスト終了! 結果張りだすまで、3分! 待っておくように」


「「「「「はーい!」」」」」


 テスト終了!!


 廊下に出た。


 すると!


「ふん! 簡単だったわね!」


「コクコク!」


「楽勝だぜ!」


「ふふん!!」


 王華たちが、自信たっぷりに言っている。


「なかなか出来ました!」


 沙紀は、出来た感じだが。


「……プシュー」


 リリアは、し、死んでる!?


 そんな難しかったか!? え!?


「張り出すぞ~」


「「「「「わあああ!!!」」」」」


 結果発表となったのであった!!


 その結果!!


「お、俺3位だ」


 俺、3位! 


「え!? 嘘!? 私9位だったのに! え!?」


 沙紀も10位内に入った!


「え、弥勒さん!? あなた勉強できるの!? え!?」


 おう! リリア! 言ったろ? できるって!


「え、国語や英語は!?」


 考えてる事を察知すれば行ける。


 喧嘩で相手が動こうとした瞬間呼んで、顔面殴るのと一緒だ。


「す、数学・物理は?」


 喧嘩のフォームとか、鉄球投げたり、チェーン振り回したり、バイク転がしてたら分かる。


「か、化学は」


 自分たちでモノづくりと化するし。工業高校だから。


 あと、先生たちがめっちゃエロいから勉強する気になる。


「社会は? 生物は? 政治経済に歴史は!?」


 ゲームと、漫画と、ネットで覚えた。


「うがあああ!!!」


 って、おいおい。どうした。リリアって!?


「え、634位? お前?」


 お前勉強できないんかい!!


「うーうーうー」


 これは、仕方ないな。


「そうですね。リリアー。一緒に勉強しよう。調査のためにも。勉強教えてあげるから!」


「むー。お願いします~」


 ああ、勉強会開始だ!


 そういうことで!


 俺と、リリアと、先による!


 テスト勉強会が、始まった!!!


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