第8話

 遥歌はるかの不健康なエロスにまみれた裸に、はじめは下腹部から湧き上がる殺意に似た衝動を感じた。鬱がひどくなってほとんど何も食べられなくなっていた遥歌は、栄養失調気味で髪はカサカサに乾いていた。いつものように交わりながら、創は取りつかれたように刃物で遥歌を脅していた。殺意と性衝動リビドー、尖った刃先の冷たさと乾いた性の悦びが、ふたりを快楽の頂点へ導いた。「ああ、殺してえ、たまんねえ」創は遥歌のうなじの新しい香水の匂いに異常なほど興奮し、いつも以上に危険なやり方で遥歌を責めたてた。ナイフで首筋をなぞったり、首を絞めたり。「ちょっ、怖い!やめて!」遥歌は快感を通り越して意識が遠のきそうになるのに怖くなり、か弱い力を振り絞って創を突き飛ばした。「死ね!死ね!」興奮して猟奇的で嗜虐的サディスティックになっていた創は力づくで遥歌を丸め込み、拳を振り下ろしながら犯しつくした。オーガズムに達すると遥歌の首をきつく絞めあげ、吠えながら激しく射精した。

 白いものスペルマがまき散らされた後、泣きながらどこかに電話しようとする遥歌を創はナイフでメッタ刺しにし、流れる赤黒い血を見ながら再び勃起した。ナイフを突き刺し、えぐり続けているうちに遥歌は動かなくなった。死んだ遥歌は、痩せて哀れな、血まみれのぼろきれだった。

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