第13話

「さっきのなに?亮介くんの腕引っ張って、私と付き合ってとか?そんな話?」


「…それ、よくわからないんですが、最近…近寄ってきて」


「えー、そうなの?あの人若い人好きらしいから、亮介くん完全狙われてるわね」


「えーそんな」


無理だよ。


「今日家に遊びに行きたいんだけど。いい?」


え、まさか碧唯さんも…?


亮伍りょうごくんに頼まれたのよ。彼女が不安そうだったから、話聞いてあげてってね」


なんだよ、兄貴話しすぎ!


「ありがとうございます…」


「さっさと部屋で話しましょう」


「今は仕事でいないんですが…」


「帰ってくるまで亮介くんの話聞かせてくれる?」


「はい…」


碧唯さんは、美人なんだけど、かなり強引なところがある。家に帰らないことも多いらしいけど、自分の家はうまくいってるんだろうか?小柄な碧唯さんと歩くことはあまりないから、ゆっくり歩かないとな。なんかヒールいつも高いの履いてるし。


「元カノ絵里ちゃんが大騒動だったみたいね〜。ごめんね、私全然気がつかなかった」


「え?」


「私、すごく別れたがってるんだって解釈してたの」


「俺もそう思ってたのですが…」


「でも逆だった。もー私〜まだまだねぇ〜。あの子は嘘がうまい!」


「演技ですよ…嘘というか」

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