第41話 新しい魔術

 やっぱり、ちゃんとした服を着て出歩くのは、ユニ◯ロのパジャマや追い剥ぎルックでフラフラするのとは大違いよね!


 パジャマと外出着が同じなんて、そもそも有り得ないもの!


 可愛いテレーザちゃんと一緒に買い物して、女性用の旅人スタイルをコーデしてもらったの!


 楽しかったわ〜…。


 やっぱりこんな殺伐とした世界なんだもの。少しは心に潤いをあげないとね!余計にカサついちゃうわ。


「おい!ちゃんと新しい魔術を確認しろよ!」

「………分かりましたぁ〜。」

 



左山葉子(38歳)


レベル34


体力 246/246

魔力 208/292


魔術 イメージクリエイション、影潜り、インパクト



属魔 バンディエル



「影潜りとインパクトって魔術が増えたわ。……そうか!あの時、魔術師が見えなかったのは、影に潜んでいたからね?それで、インパクトで攻撃されたんだわ!」

「よし!中々使えるヤツで良かったな!魔術師から得た魔石は、当然そいつの魔術を見ていない限り、取り込むまで何か分らない。同じ様な魔術の事もあれば、クソの役にも立たない魔術だってある。まあ、俺は魔石を得られれば、重複しても構わねぇけどな!」


 あなたはそうでしょうけど、私には死活問題よ!

 手札が増えれば、工夫も出来る。後は熟練度を上げて、何時でも使える様にならないと!


 さっきの防御魔術だって、咄嗟に思い出したのよ!あの絶対領域のバリアを!お陰で助かったわ!


 だけど前面だけじゃ不安だったから、ドーム状のバリアをイメージして、心の中で強く『全開!!』って思ったの!


 もし、あのバリアが破られるとしたら、限られた場合になるしね……。


 そう、暴走したアレが出た時と、ネジリ槍を投げられた時。それと同じバリアで中和された時くらいだと思うのよ!


 今のところ、同郷っぽい人とは会っていないから、まず大丈夫だと思うけど、万一を考えるともう一つくらいは欲しいわ。


「ねえ、バンディエル。もう暗いから休む場所を確保したいんだけど。」

「そうだな……。なら、早速『影潜り』で粘着して来てるヤツ等を振り切るか。」

「そうね〜。どうせ碌でも無い用だろうし、そうしましょう!なら、前にある木の影になったタイミングで潜るわ!」


 町を出た時から着いて来ているのが5人。

 はぁ…。防犯面は最低ランクね、ここって。


「じゃあ、行くわ!『影潜り』!」


 わあ…!変な感じ!!目線がGLグランドラインだわ!


 え………?これをあの男が持っていたって事は……まさかアイツ痴漢?!だ、大丈夫だったのかしら?!テレーザちゃんは!

 

 でも今は、ここから離れて今日の宿泊(野営)場所へ行きましょう!



 ふ〜〜ん。スピードは歩くのと同じなのね。


 もっとこう!ビューっと、影から影へスイスイ!みたいなのを想像していた………ら出来たわ!


 あら?でも、これはどっちの魔術の影響かしら??


 だいぶ後方で騒いでいる男達の声が聞こえるけど、無視無視!付き合ってられないわ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る