第24話 私の魔石

 あれ?私の目がおかしく………なってないわよね?明らかにバンディエルが成長しているわ。だって背が私と並んでるもの…。


 魔石を摂取すると、身体が大きくなるなんて聞いてなかったけど……まあいいか。


「おはようバンディエル。」

「おう!さっさと用意して狩りに行こうぜ!」

「その事なんだけど、今日はお休みしようと思います。」

「何でだよ?!」


 え〜〜。1日位お休みしてもいいじゃない。昨日取った魔石もまだあるんだし……。どうして、そんなに魔物狩りに行かせようとするのかしら……?これは聞いてみるべきね…。


「ねえ、どうしてそんなに魔物狩りに行かせようとするの?急ぐ理由があるなら、ちゃんと教えて欲しいんだけど。」

「俺の為だ!!」

「……もっと具体的に!」

「分かったよ!いいか?属魔ってのは召喚主の人間と一蓮托生なんだよ。お前が死ねば、俺も消滅する。俺が死ねば、お前の魔力が全て抜け、死にはしねえけど廃人確定だ。」


 はい?!何それ怖いんだけど!!じゃあ、何処か静かな場所で隠遁生活するしかないじゃない!そうだ!一番最初にいたあの森ならどうかしら?!


「それと、この前言った事を一部訂正する。人間に魔石は無いが、魔術を使える者はココに魔石が存在する。」

「え…?」


 バンディエルが示したのは心臓がある箇所。他の魔物達も等しく心臓に魔石が入っていた。それが私にもあるって言うの?!


「魔物と同じ様に、お前の中にある魔石はレベルが上がると魔力が増し硬化していく。そして、属魔は人の魔石を何より求める。これはもう本能的なものだ。」

「じゃあ…バンディエルも私の魔石を…?」

「アホかぁ?!お前、話を良く聞けよボケ女!!!」

「キャァッッーーー!!痛い!!痛いよバンディエル!!やめて!!」


 頭を挟んでグリグリ攻撃……う、うめぼしだよこれ!!痛い!本当に痛い!!


「お前から魔石を取って死なれたら、俺も即お陀仏だって言っただろうが?!何を聞いてたんだ?!この耳は飾りかーー?!」

「ご、こめん!本当にごめんなさいぃぃー!!」

「いいか〜?本当にちゃんと聞けよ?!もしお前の魔石が誰かに盗られた場合、もちろんお前も俺も死ぬ。そして、どっかの属魔がお前の魔石を吸収すると、お前の魔術【イメージクリエイション】が魔石を吸収した属魔の召喚主の魔術になっちまうんだよ!!」

「え?!じゃあ、1つ以上の魔術を持った人って、誰かの魔石を属魔に吸収させたってことに……」


 私がそう言うと、バンディエルは黙って頷いた。


「積極的に狩ってるヤツも必ずいる。もし、魔術が使える者同士で戦ったら、レベルの高い者、より魔術を上手く使える者の方が有利だ。幸いお前の魔術は、属性に囚われない汎用性の高い魔術だから、あとはそれをどれだけ使い熟す事が出来るかに掛かってくる。だから、魔物を狩って狩って狩りまくってレベルを上げろ!……死にたくなければな。」

「し、死にたくないわよ!」

「なら、さっさと用意して狩りに行くぞ!15レベルなんてただのひよっ子だ。あと、到達した者がいるかは定かじゃねぇが、最高レベルは999らしいぞ?」

「は?!嘘でしょ……?」


 バンディエルの言った情報に唖然とした…。全ての魔術使用者が敵対行動を取って来るとは限らないわよね…?ただ、今、行き成り3桁台のレベルの人に襲われたら、なす術無く殺されてしまうかもしれない。相手の目的が私の魔石なら、間違いなく。


 そこで、ふと思い出してしまった…。ミエルの言っていた事を。魔術が使えると分かった子供を国が集めてるって。まさか…ね……。やって無いわよね…?



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