第74話



「澪奈、いきなり入ってきて何か作戦はあるのか?」

「キングワーウルフは強いの?」

「……そうだな」


 俺は覚えていたステータスを澪奈へと伝える。

 ……スキルを所持していることも伝えると、澪奈は驚いたように頷いていた。


「確かにそれはちょっと今の私たちだと難しいかも」

「……そうだろ?」

「でも、それはあくまで、今の私たちの話」

「つまり?」

「装備を整えればどうにかなると思う」

「っていっても……今インベントリにある素材を売っても200万ゴールドくらいにしかならないぞ?」


 生放送をしながら、俺は今打てる手を考えていた。

 持っている素材などを売却しても、200万ゴールドほどが限界だ。

 澪奈は得意げに持ってきていたカバンをばっと開けた。

 ……そこには大量のアクセサリーが入っていた。


「私の口座に振り込まれていたお金で、買えるだけ買ってきた」

「……これって、おまえ」

「今月、私かなり稼いでいたみたいだから、その分。アクセサリーなら、ゴールドへの変換率もいいんだよね?」

「まあ、な」

「これを使えば、多少は装備を整えられると思う」

「……そうか、わかった」


 そちらに関しては、あとでちゃんと返さないとな。

 ここから脱出できれば、金はいくらでも稼げるだろう。

 ……俺は小さく息を吐いてから、澪奈が持ってきたアイテムたちを売却していく。


 インベントリの素材もすべてゴールドに変換すると、約800万ゴールドまで増えた。

 二つほど優秀なアクセサリーもあり、それに関しては売却せず今はインベントリに入れてある。

 あと、パワーワーウルフの素材が中々高価だった。

 このゴールドでどうやって装備を整えるかだな。


「澪奈の装備を一新するか?」


 俺は現在購入できる400万ゴールドまでの装備を確認する。

 見たところ、400万ゴールドで購入できる装備はランク12で、合計ステータス上昇は54もある。

 ……これで剣とハンドガンを購入すれば、合計108も上昇する。スキルの効果で二倍になるので、合計216。

 筋力、速度ともにかなり強化できるはずだ。


「マネージャーの装備はどう? さっきあったアクセサリーを入れ替えたらどのくらいになる?」

「ちょっと待ってな……」


 俺は澪奈が持ってきたアクセサリー二つを装備して確認する。


 茅野圭介 レベル43 筋力:125 体力:43 速度:178 魔法力:43 器用:43 精神:43 運:43

 ステータスポイント:0

 スキル:【格闘術:ランク6】【石投げ:3】

 職業:【商人】

 装備:【ゴブリンリーダーの指輪 筋力+6 速度+6 スキル:鼓舞】【速度のネックレス 速度+18】【筋力のネックレス 筋力+27】【速度のネックレス 速度+30】


 装備合計:筋力+33 速度+54

 ステータスポイント割り振り:筋力+16 速度+27


「今、このくらいだな」

「……速度はキングワーウルフを超えている。これなら、とりあえずは大丈夫?」

「ああ。それより、澪奈のほうが心配だ」


 神崎澪奈(かんざきれいな) レベル38 筋力:98 体力:24 速度:140 魔法力:28 器用:61 精神:16 運:16

 ステータスポイント:0

 スキル:【氷魔法:ランク3】【剣術:ランク5】【銃術:ランク5】

 装備:【ロングソード 筋力+9 速度+9】【ハンドガン 速度+9 器用+9】【ロングソード 筋力+3 速度+3】【ハンドガン 器用+3】


 装備合計:筋力+12 速度+21 器用+12


 澪奈のステータスを確認する。

 今の澪奈のステータスだと、どれもキングワーウルフを上回っていない。

 これから二人で挑む場合、どちらが前衛を務めるにしても、澪奈が危険だ。


「……確かに。速度は最低でも超えてないと万が一がある」

「ああ。火力に関しては仕方ないとしても、速度だけでも補う必要があるから……ハンドガンを入れ替えるか?」

「うん。とりあえず、それを変える」


 というわけで、400万のハンドガンを購入する。


 ハンドガン ランク12

 効果:【速度+27】【器用+27】


 これで、澪奈の速度はかなり上がった。

 【雷迅】状態でなければ、澪奈でも十分対応できるだろう。

 問題は【雷迅】状態だ。

 あれになったときの速度は196もあった。

 ……だから、こちらもそれを上回っている必要があるのだが……。



―――――――――――

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!


『楽しかった!』 『続きが気になる!』という方は【☆☆☆】や【ブクマ】をしていただけると嬉しいです!


ランキングに影響があり、作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る