第19話 また女子の告白される。

「好きですっ。付き合ってくださーーい」


「うぅ。ごめんなさい。僕にはその資格が・・・」


世間的には英雄。ただ、アンチコメント多数の中、僕はまた女子に告白されていた。


ネットではファンもいるらしいけど、実際にはどうなんだろ?


冗談っぽい感じでの軽い告白。でも、素直には告白に応えられない。


だって、僕単なる一般人だもん! なにか期待して告白されても(汗


正直、女の子の告白には戸惑うことが多い。なにかすごい軽い感じでペロっと告白して来るんだ。


悪役令嬢Vtuberのルルナは言った。


「そんなものでしょ? 恋愛なんて。冗談からしか始まらないわ。ちょっとぐらい雰囲気で付き合ってみれば、案外うまく行くと思うけど?」


「そうは言われても、あからさまになにか期待されて告白されても」


はあ。僕は非常に今、女子の扱いに困ってる。





期末試験の成績が大きく下がって、僕は先生に呼び出された。


「伊藤。お前、大学行く気あるのか?」


「はい。一応」


「やめとけ。志望大学はあやしいぞ。お前、配信者として有名なんだろ?」


「一時だけです」


「先生はよく知らんが、それで身を立てろ。1億稼げばなんとかなる」


先生に大学進学を止められてしまった。




乙姫セリカが隣に引っ越して来た。


僕と母さんは府中の都営住宅に住むんだけど、そのボロマンションの隣に乙姫。


隣の一家はお金で先週退去して行った。なんだろうって思ってたんだけど・・・。


まさか!!!


「引っ越してまいりました。ほんのご挨拶です」


銀座の高級まんじゅうを渡された。


「結婚するまで私はあなたの傍にいます。安心してくださいね」


どこが安心なんだろ? 乙姫セリカ。明らかに本気だ。


なにかアニメかなにかでこういうシーンがあった気がする。ただ、現実でそんなことする女の子がいるなんて・・・。


財力のあるアイドルだからこそできることなんだって思って、すごくビックリした。


本気?


ルルナに相談したら言われた。


「あなたの人気が落ちるまでは付きまとってくるだろうから」


「う・・・。ほんとかなぁ」


「芸能人ってキレててそんなものよ。普通の結婚なんて考えてないから。話題のためにはなんだってするの」


「はあ。・・・どうしよ」



今日、テレビを観たら、乙姫セリカが僕を擁護していた。


「大体、戦いなんてあなたたちまともにしてもいないでしょう?」


「それはコメンテーターの私たちは冒険者じゃないし」


「伊藤くんはがんばって戦ってるんです。あなたたちにそれができますか?」


「それとこれとは関係ないですよ。乙姫さん」


「関係なくありません!!! 私は伊藤くんを擁護します。そして結婚します。真実の愛のために」


感動的とも思える擁護っぷりだけど・・・実態は単なる炎上商法であり。


ただ、そこでさらに乙姫セリカが爆弾を投げたんだ。


「次の日曜日までに私、伊藤くんと婚約します。できなかったら死んでやる!!」


おーーーーい。乙姫さん。どこまで本気なんだ? けど、テレビで言っちゃうってことは、けっこう本気?

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