第16話 足跡追跡
取れ高がちょっと美味しい。
アンチコメを入れてた人たちが興味を持ってる。
ルルナが言う。
「追ってみましょう。とりあえず、なんのモンスターかわかるまで」
「わかった。講習途中だけど行こう」
草原地帯を抜けてジャングル地帯に。
3キロ四方が木の群生地帯になっていて、深緑の樹海にツタが絡まったようになっていて、その樹海を埋め尽くすように草木がわらわらと生えていて、陽射しも通りにくい見通しが悪い地帯となる。
葉っぱをわけるようにして進む。この辺はサルのモンスター地帯。
小型のサルだけど、倒すのが大変で素材も出ない。
玉石さんがツタをバッサバッサ切りながら敵を警戒してくれている。
その後ろに僕とルルネがいて、その後ろで山本さんがカメラを構えている。
「草木が邪魔でなかなか進まないわね」
「あっ、また痕跡だよ。ソフィーナ」
「結構、隆起くんって足跡みつけるのうまいわね?」
「そう? なんか目につきやすい感じだけど」
「私にはわかんないわ」
ルルナはそう言ってファンの人たちとの会話を楽しんでいる。
ルルネが言う。
「手ごわいモンスターの追跡画像って興味深い?」
> スリルがあるよ。なんていうかダンジョンサファリな感じ。
> ルルネちゃん怪我しないでね。
「大丈夫。敵みつけても襲い掛かったりしないし」
> おそらく下層のモンスターだと思うけど、41階の情報ないんだよな。
「そうなの? 今わかってるモンスターの情報ってガルキマサラだけ?」
> 後、3頭の頭のクマみたいなヤツだね。
> ロットンゲイル。Bクラスモンスターだけど、倒した事例は少ないね。
「へえ」
二人で足跡を追っていると、足跡が2体だとわかった。
草をかき分けた先に、かえでみたいな足跡だけど、大きさがそれなりに違うものがあった。
「なんだか少し小さいヤツがいるわね」
「親子連れかな?」
「雌が体格小さいのかも知れないわ」
「狂暴なヤツかな?」
「下層から来たんだから、おそらく狂暴でしょう」
「みつけたら逃げようね。ソフィーナ」
僕がそう言ったら、コメント欄がブーイングの荒らしになった。
はは。ただ、僕は逃げるよ。
僕の基本スタンスは勝てない敵には挑まない。なるべくコツコツ強くなって、Bクラスまで現在は行くことが目標なんだから。
ただ、そうは問屋が卸さないみたい。
「ぎゃああああぼおおおおおおおおおっ」
突然絶叫。見ていると、ハンマーみたいな頭をした恐竜みたいのが叫んでる。
どうも殺し合いをしているみたいだ。
戦っている人を見て、そのとき、コメント欄が騒いだ。
> Sクラス冒険者の寒月サクラじゃね?
どうも神出鬼没のSクラス冒険者と僕たちは遭遇してしまったらしい。
寒月サクラはすごく細い長槍みたいので、いきなり恐竜を襲ってた。
「ぎゃぁああああああああああ」
一匹の8メートルはある恐竜の頭を細い長槍で刺す。
ゴトンと言って恐竜が倒れた。
僕らはその光景を撮影していたんだけど、それに気づいていきなりサクラは
くるりと振り返る。
それから僕に向かっていきなりサクラはもう一匹の恐竜を槍でけしかけて来た。
「いいところに来たなぁ。坊や。これ殺したら、あんたの嫁になってやるぜ?」
なに言ってるの? 意味がわかんない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます