第3話 あと少し、眠る前に

「美味しそう!本当、ミオはご飯が作れて羨ましいなぁ……」

 その日の夜、アリアの家のリビングにあるテーブルにたくさん並べられた料理を見てテンションが上がるアリア。ガタガタとイスの音をたてて座ると、ミオが笑いながら追加の料理をキッチンから持ってきた

「アリアは料理は得意じゃないからねぇ。何度教えても失敗するけど、薬の調合は得意なのは変なの」

「薬は味の調整なんてしないもん。不味くても私は飲まないし」

「確かにそうだね。アリアの風邪薬とかは、とても良く効くけど冗談じゃないくらい不味いもんね」

 薬の味を思い出して、ミオが顔を引きつかせると、アリアがクスクスと笑って料理を手に取り食べた。美味しさであっという間に食べていくアリアを見て慌ててミオを食べはじめると、二人の会話が弾む

「そういえばミオは今日は泊まるの?」

「そうしようかなー。良いの?」

「もちろん。良いっていうと思って、もう準備してあるよ」

 ちらりと寝室を見るアリアにつられて、ミオも寝室を見ると、ベッドが二つ横に並んで置かれていた




「ねえ、アリア」

 ベットに二人並んで眠ろうとしていた時、ミオがアリアの方を向いて話しかけてきた。もう少しで眠りそうだったアリアが少しぼーっとしながらもミオの方に振り向いた

「アクア様にアリアが言っていたように似ているよね、もしかして姉妹?」

 体を少し起こしてアリアを見ながらニコニコと問いかけるが、アリアはその問いかけに困ったように笑う

「えー、それはないよ。身分が違いすぎだよ」

「そうだけど、たまーにクリア王妃がアリアのこと、隠れて見に来てるでしょ」

「うん、隠れているつもりみたいだけど、みんなに見られているよね」

「じゃあ、やっぱり……。支援だって受けているんでしょ?」

「それはミオもでしょ?私を見ているのも、学校とか街の子供達の様子を見ているって言っていたよ」

 アリアの返事に納得したのか、ミオが少し頬を膨らませるとアリアが頬を優しく触れた

「早く眠ろう。ミオは明日魔術のテストって言ってなかった?」

 そう言われて、一瞬固まったミオ。慌てて布団に潜り込みぎゅっと目を閉じ、少し声を大きくしてアリアに話しかけた

「そうだった!早く眠らなきゃ!アリア、おやすみ!」

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