第68話 物騒オーシャン
【前回のあらすじ】
石上は、エリザベスがいきなり放った衝撃波を目の前で受けてしまったため、目と鼻と耳が潰れてしまった。
さらに右腕が粉のように粉砕してしまう。
ハルとマイクも肉体の形状を維持できず、砕け散ってしまった。
黒木は運良く肉体を崩壊させる事は無かった。
しかし、気絶してしまった。
かなり遠くにいた、長野と木下も、ミニエリザベスと共に吹っ飛んでいった。
そして周りのビルも、ペットボトルのように飛んでいってしまう。
本当の意味で、物騒要塞どころか、関東が真っ平になったのである。
ペンギンも珍しく余裕が無いようだ。
そしてエリザベスは、今も逃げ続けている!
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
ブンッッッッッッッ
目と鼻と耳が潰れてしまい、さらには右腕が粉砕してしまった石上は警棒を、遠く離れたエリザベスに向かってぶん投げた!
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァ
なんと警棒は、エリザベスの背中に突き刺さるどころか、貫通して心臓を外へ投げ出したのだ!
しかし、突然その心臓が、エリザベスの体へ戻っていく。
ペンギンは思った。
「(時間を操っているな。あいtつ、いつまで逃げるつもりだ)」
突然、物騒要塞中に、氷柱が雨のように落下してきた!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ペンギンはそれら全てを楽々と避ける。
「(クソぉ、あいつ、時間を止めて一斉に氷柱を出現させたように見せたか)。
高橋、その靴を履いているとスピードが上がるのだろう?
早くエリザベスの元へ行け!!」
「え、なんで知ってr」
「早く!!!」
「すみませんでした」
高橋は、まっすぐ逃げるエリザベスを追いかけていった。
石上は悟る。
「(武器が消えた!…一体どうすれば…)」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ドォォォォォォォン
突然足下に、銃が落ちてきた。拾ってみると凍っているが、石上はすぐに氷を割って、弾を入れる。
「(なぜかは知らないが、ありがとう。
絶対に、倒す……化白鳥。光も匂いも音も感じられないけど、気配でわかる。
西の方向にまだ進んでいる。逃してはいけない。
目、鼻、耳に力を使わない分、足に力を集中させろッ)」
彼の足の速さがどんどん上がっていく!
そしてエリザベスと高橋は、物騒要塞を抜けていた。
存在の有無を消去してもらった高橋は、エリザベスに話しかける。
「エリザベスさん!」
「ん?その声は高橋か?」
「もうやめましょうよ!命がもったいないです!」
「だからなんだ?俺が○ねと言いたいのか?」
「いや…その……」
「黙って見てろ」
ついた場所は、海だった。
綺麗だが、街の近くでもなければ、人通りも無い。
しかし、なぜかは知らないが、すごく悪寒のする場所だ。完全に魔境である。
エリザベスは少し休むために、砂浜に座った。
高橋は後からやってきて、ここはどこか尋ねた。
「……ここ?物騒オーシャン。西の方にあるんだが、人が一切寄って来ない場所。
俺の管理している区域の1つだ。
星が綺麗だろう?海も綺麗だろう?
人が来ないから、全てがもう綺麗なんだ」
「へぇ……」
高橋は、エリザベスの隣に座る。
初めて自分から、彼の隣に座ったかもしれない。
「…………」
「…………」
話す事も無く、2人共気まずそうだった。
バァァァァァン
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