第3話

青色の綺麗な髪をした少女は、少し警戒しているような様子でこちらを見ていた。赤音は少女の髪飾りに目が留まった。

「きれいな色…」

「え?」

「あ、いやぁその、か、カチューシャの飾りが可愛いなって」

少女は少し落ち着いてきたのか、髪飾りのことを教えてくれた。

「これはね…」

二人の少女の談笑はしばらく続いた。

「あなた、名前は…」

今度は青色の髪の少女から口を開く。その時だった。

[前置きは、そのくらいでよろしいですか?]

「!」

「今の誰!?天の声かな!」

「違うわよ」

「デスゲームの司会の声でしょう」

「そっちだって違うよ!えーと…」

「メリナよ」

「そう!メリナ!」

「あなたは?」

メリナが尋ねた。

「赤音忍だよ!赤音!」 

「そう、赤音…」

「おいおいお二人さん、そんなことやってる場合かよ?」

先の司会者(?)とも違う声が、赤音たちの耳に入った。

[そうですね。ライ]

「ラ、ライ…?人なんてどこにもいな…」

赤音は口をつぐんだ。

ライという名の少女はいた。

赤音たちの遥か

―上空に。

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