第2話王城と城下町
(目がチカチカする……)
そう思うものの、不安から必死に目を開けようとして、ようやく開いたらそこには、騎士やメイドの服装をした人達と王様っぽい人がいた。
そして俺たちの目が開いたことを確認すると、王様? が
「おお、勇者達よ! よくぞ参った! 我はこのアースガルド王国の王! アレクサンドラ・アースガルドだ!
今、我が王国は危機に瀕しておる! 魔王の侵略に苦しめられておる! 頼む勇者達よ我らに力を貸してくれ!」
と言い放つ。
が、しかし、それはどこか芝居がかっており、苦しめられてるとは言うものの、王も王城も豪華絢爛。
困窮してる様子がなかった。
そのため俺は少し不信感を抱くが、皇のグループやつらが
「はい! 私たちにお任せ下さい!」
とか言うせいでもう無理ですなんて言えない雰囲気になってしまった。
すると王は、
「おお! 感謝するぞ勇者達よ! それではこの、神から授かりしギフト判定装置で皆のギフトを我らに見せて貰えないだろうか!」
そうして、ギフトを見せることになったのだが、、
(やべぇ、どうしよ、、俺よく分からんやつになってるんだけど……)
と、俺が焦っていると
「私たちなんのギフトかはもう分かってるんだけど……やっぱ昔の人が嘘ついたりしてこうなったのかな? 虚偽申告みたいなの…ありそうだよね〜」
と、葵が俺に声をかけてきた。
(確かに、俺らは神に説明を受け自分のギフトを自分で選んでいる。しかし自分以外基本的に知らないから嘘つけちゃうのか……)
と考えていると、葵の番が回ってきたようで葵は
「じゃ! また後でね!」
と言い去っていった
そして王様達が聖女だなんだと騒ぐ声が聞こえ、
(やっぱり普通にSS選べばよかったかも……)
とか後悔してると俺の番になった。
「それでは勇者の従者の者よ! この水晶に手を当ててくれ!」
そう言われ、
(従者じゃねえし……)
とか思いながら手をかざすとやはりそこには……
ギフトランクerror
ギフトネーム ??????
と表示され、
「む? こやつも勇者一行では無いのか」
と、言われた。
(も? 俺以外の奴……あぁ、Cランクのヤツら
とかも一緒にされてんのかな?)
そんなことを考えていると、俺と、豚、キモオタ、チビガリと呼ばれてる嫌われ者三人衆(吉田豚男、吉田雄卓、吉田狩太)
と前川美紀という女子、梅田真斗、橘陽菜乃の7人が呼ばれた。
豚男はオーガの召喚、雄卓は障壁、狩太は剣術、前川はアイアンゴーレムの召喚、橘は火魔法、そして梅田は槍術だったらしい。
王曰く、得体の知れないギフトや弱いギフトは信仰心が足りないから。
そして魔物を連れてるやつは勇者の仲間に相応しくないという事でこの世界のお金で1ヶ月は生きていけるだけのお金は渡すので出ていって欲しいということらしい。
ちなみにこの世界のお金は王様の説明によると銅貨から白金貨まであり、大体の価値は、
銅貨1枚100円
銀貨は1枚1万円
金貨は1枚100万円
白金貨1枚 1億円
となっており、大体同じ硬貨100枚でひとつ上の硬貨に変わるらしい。
そのお金を一人銀貨50枚渡すので出ていけとの事だった。
もちろん俺はある程度予想してたので、驚かなかったと言えば嘘になるがまあ他のやつよりは動揺せずに済んだ。
そして豚男達もこういうラノベをしょっちゅう見てたので小声で話しながらニヤニヤしていた。
梅田と橘は驚いていたがそれでもCランクだからと自分を納得させていた。
1番酷いのは前川だった。
「は?! 勝手に呼び出して何よあんた達! たった1ヶ月生きれる程度って、、その後は?! 私は魔物なんかと戦えないし……私を家に帰して!」
と、騒ぎ出した。
(まあ気持ちはわかるけど……)
そんな前川を見て、王の近くにいる騎士たちが不敬だなんだと騒いだが、王が窘め、しかし追放は決定事項らしく、俺らはお金だけ渡されて城下町に追い出されたのだった……
そして最初の話に戻る訳だが……
(……やばいよなぁ、この空気、、)
俺たちは7人で同時に出された。
その為ここにはまだ7人いる訳だが……
「まあ、こんなとこにいても仕方ない。
元から国のため戦うつもりなんてなかったし、テンプレなら冒険者ギルドとかもあるだろうし、俺は行く。お前らもどうするか、身の振り方は考えろよ。それじゃ」
そう言い残し去っていった。
豚男達もとりあえず動くことにしたらしく前川と橘を誘うことにしたらしいが、橘は豚男達が嫌いらしく断っていたが前川は1人で生きていく自信が無かったらしくついて行った。
俺もギルドとやらに行ってみようと思い歩き出した。
が、橘に手を掴まれ思わず足を止めた。
「どうしたんだ?」
そう聞くと
「吉田君達は下心丸見えで無理でしたけど、でも、1人は嫌なんです! できれば一緒にいて欲しいです……」
女子にそんなことを言われた俺は少しドキっとした。
しかし冷静な振りをしながら
「そうか、俺も1人は心細かったんだ。一緒に来
てくれないか?」
と橘に言った。
橘は少しはにかんで
「はい!」
と答えた。
(今まであんま意識してなかったけど……橘って意外と可愛いな……)
と思い、思わず顔を背け俺は歩き出した。
橘はそんな俺の後ろをトコトコ歩き出した。
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