第9話 日常
その次の日から、学園での日常が始まった。
幸いなことに暦などは元の世界と変わらないようで、あまり違和感なく過ごせている。
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まずは午前中の教室での座学の時間。
50分の授業が3コマあり、主に基礎的な数学や歴史を学んだ。流石は異世界と言うべきか、魔法学なんてものもあり、結構面白くてタメになる内容ばかりだった。
それに、教室で授業を受けているとなんだか高校時代や大学時代に戻ったような気がして結構楽しい。高校時代なんかは学校での授業なんか嫌いだったはずなのに、なんとも現金な話だ。
楽しいのは授業だけではない。休み時間や放課後もまた、充実した時間になった。それには、新しくできた友人達の存在が大きく関係してくる。休み時間には教室の適当なところに集まり談笑し、放課後は街に買い物に出たり、どこかで遊んで来たり、訓練場で自主練したりとかなり自由に過ごした。
そしてそんな中でも、なんだかんだでクロナと共に居る時間が一番長かった。
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そして午後は戦闘訓練。基本的に訓練場で行われるのだが、こちらは午前とは対照的に地獄だった。
まず、教師がヤバい。座学と同じく戦闘訓練も担任のリリー先生が担当しているのだがその可愛らしい見た目からは想像もできないほど厳しい。いや、マジで。
先生は風の魔法でも使っているのか、空中に浮かんで訓練場全体を見渡しているため少しでもサボっていたり力を抜いていたら直ぐに正確かつ怪我をしない絶妙な力加減の魔法が飛んでくる。
他にも魔力が底をつくまで延々と同じ魔法を発動させられたり、休む間も無く延々と倒れるまで模擬戦をさせられたりとなかなかのスパルタ具合だ。
ただ、それでも訓練の内容自体は素人目にも理に適ったものであるし、着実に実力がついてきているのも実感できる。
それに、リリー先生も厳しいのは厳しいのだが、言葉の端々から生徒を慮る気持ちが滲み出ていて、なんだかんだで生徒達から慕われているし俺も彼女のことは嫌いじゃない。いや、むしろ尊敬している。
・・・・・・ああでも、その日の訓練の最後にやるペアでの模擬戦のときにやたらと俺とクロナをペアにするのはやめて欲しいな。予想していた通りにクロナめちゃくちゃ強いし、なによりクロナ相手だとどうしても本気で攻撃しようとするのに躊躇してしまう・・・・。
そのせいで、模擬戦での成績がかなり悪いのだ-------。
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