第2話

街から旅立って1週間。外は危険がいっぱいでした。少し歩けば魔物に出くわし、また少し歩けば盗賊に、また歩けばど腐れ商人に...ナイアラル様!こういうとこ直した方が良いですよ!エンカウントしすぎです!ゲームバランス考えてください!!


【ゴメンね。でも、イサナくんは強い子だから大丈夫だよ。それに本当に危険なやつは近寄れないようにしてるから。とりあえず、いつもののど飴を物置の方に入れておくね。】


あ、いつもありがとうございます。助かっております。


つい、荒ぶってしまいナイアラル様に交信スキルを使ってしまった。ま、エンカウント率がおかしくても得るものがありますからね。ドロップアイテムと経験値うまうまです。


魔物はお肉、盗賊からはお金と宝物ザックザク、ど腐れ商人からはお金と衣類と食料品や調味料と薬。おかげで物置スキル内には潤沢に物資が貯まってます。え?商人まで殺してるのかって?あんなのは盗賊と同じで即滅許可いただいてますし。我がナイアラル様から。なので、私にはなんの罪科はありません。やったネ!


あ、ちなみに盗賊とど腐れ商人が所有していた色々な種族の人間がいたけどめんどくさいからそのまま放置してきました。助けても私5歳児ですのでお世話出来ませんし、むしろお世話してもらいたいのは私なので見なかった聞かなかったことにして檻の鍵だけあげてスタコラサッサ〜しました。


変に関わって、お貴族様のペットにされたくありませんし。そう、何故か何処ぞの伯爵令嬢やお忍びの他国の王女様だっていう高貴な方々が檻の中に居たんですよ。あ、これ相当な厄介事だなと私思いまして相手さんが何やら助けてくれたらお礼はするとか邪な眼で私を見ながら話してるのを聞き流しながら逃走ルートを考えておりました。私が聞いてもいないのに何処ぞの領の者だとか、何処ぞの国の王女だとか話してくれたので図鑑スキルの地図ページでブラックリスト入りが捗りました。絶対に近寄りません。


物資が向こうから勝手に来ることを考えるに、わざわざ危険をおかしてまで街に行くこともないと私気付きまして、何処かで野営していた方が良さそうですね。多分、街に行ったとしても宿に泊まれませんし年齢が若すぎるので。冒険者ギルドも15歳じゃないと登録出来ませんし。入街料で何度か金貨を要求されましたし。ここでこの世界のお金の価値を。


鉄貨=1円

銅貨=10円

銀貨=100円

大銀貨=1000円

金貨=1万円

大金貨=10万円

白金貨=100万円

大白金貨=1000万円


それぞれ、10枚で次の硬貨になるのが通常なのだがどうも違うらしい。入街料で金貨を要求された時に大銀貨10枚渡したら足りないと言われまして、いくら足りないのか尋ねるとなんとあと90枚足りないとニッコニコして言われましてそんな馬鹿なと近くにいた商人や旅人にも間違いがないか尋ねるも間違いないと答えられました。私はこの世界では計算が違うのかと思い、交信にてナイアラル様に確認をしたところ私が入ろうとしている街では種族税と年齢税なるものがあるらしくて私はその2つを払わないと街に入れないらしいとのこと。アホくさくなってしまい街に入ることをやめて大銀貨10枚を返してもらおうとしたら手間賃として没収されてしまいました。あちらがそういうことを平然となさったので当然、こちらも手間賃として衛兵の命を頂きました。経験値ありがとうございます。


これでお金の価値は種族や年齢によって変動する世界だと言うことがわかりましたね。勉強になりました。...ナイアラル様、こういうとこも直した方が良いですよ。


【ゴメンね。お詫びに魔道具のお家をあげるから許してね。】


わー!ありがとうございます!やった!これで野宿生活ともおさらばだ!久しぶりにお風呂に入ってベッドで眠れますね!




side:ライオット王国第2王女


とある王国の高貴なお姫様が跪く配下の者たちに仕切りに当たり散らしていた。彼女は多民族国家ライオット王国の第2王女エレオーラ・ライオット。


「いつになったら、あの魚人の子供が手に入るのよ!?」

「今しばらくお待ちくださいませ。今全力でことに当たっております。」

「そんな言葉は聞き飽きたわ!!」


先日、お忍びで他国へお出かけになられ不運にもならず者の手に落ちてしまい絶対絶命という時にとある魚人族の子供に助けられました。助けてもらったお礼も出来ず、なんとしても探し出してお礼・・をしようとあの魚人族の子供を配下に捜索させておりました。ですが、いくら探しても魚人族の子供の行方を得ることが出来ません。それに対してお姫様は業を煮やしております。内陸地である他国に目立つ魚人族の子供を見つけらないとは!お姫様は手元にあったティーカップを掴み、配下代表者に投げ付けた。配下代表者は無抵抗にティーカップをぶつけられて軽い火傷と当たった際に軽く切ってしまい額から血を滴らせていた。


配下が出血したことにより、少し冷静を取り戻したお姫様。


「...ふん、もう良いわ。下がりなさい。」

「ハッ、失礼致します。」


と配下達を下がらせ、お姫様はイラつきを解消するために"おもちゃ箱"へ向かった。


そこは部屋に隠された隠し通路から行けるお姫様だけの遊び場。通称"おもちゃ箱"。またの名を"拷問部屋"。


「さて、今日はどの子で遊ぼうかしら?」


ガチャ...


「あら?あなた、遊んでほしいの?うふふ、良いわ。今日はあなたで遊んであげるわ。」

「ゔー!ゔゔ!」ガチャガチャ!

「そんな泣いて嬉しそうにしなくても良いわよ。」

「ゔーーー!!」


side終


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