006 +1%のアイデンティティ
黒兎との"脳内会話"を終えた俺は宇宙船の格納庫にある小さな窓から外の宇宙をぼ~と眺めていた。
遠くで星の小さな光が見えるだけの暗い宇宙空間を
あれが
《はい、あそこは帝国や惑星同盟軍のどちらにも属さない永世中立国"アルクトス"の第一
かなりデカいな、今乗ってるサイズの宇宙船なら500機ぐらい格納出来そうだ。
《どうやらこの船はコロニーへ入港するようです》
宇宙船がゆっくりとしたスピードでコロニーの内部へと入って行き、停泊した。
停船から暫くすると格納庫の扉が開き、"艦長のテレイア"と"メイドのケレス"、そして"整備士のベスタ"が入って来て声をかけて来た。
「さぁ!ここで傭兵団としての初仕事を貰うわよ!でも、その前に……」
テレイアが俺の丸い頭をグリグリと撫でまわしながら
「アイリス、貴方あんま可愛くないわね!アンドロイド丸出しの
「そやつはまだ"肉付け"が済んでないまま適当に媒体を選んで黒兎を入れただけだからのう」
「そうなのベスタ?、本来なら"肉付け"をして完全な人型にするアンドロイドなんでしょ?たしかケレスが持ってきた
「はい……お嬢様」
『……』
好き勝手に言われるがままの
…………
……
・
宇宙船からコロニーへと降り、アルクトスの入国審査官と思われる人物に色々と検査された後に港から街中へと入って行く3人と1体。
コロニーの街中ではある程度の"人工重力"が展開されており、地球よりは体がフワフワとするが普通に歩行出来る状態になっていた。
4人で暫く建物が密集した町並みを進み、人がごった返した繁華街にある1つのビルの前へと来た。
黒兎、この施設はなんだ?
《ここはアンドロイドの"カスタムショップ"の様です》
俺は3人に連れてかれるままこのショップとやらの地下へと案内され、怪しい店員とベスタにベットに寝かされ、ベットからニョキリと出て来た鉄輪で拘束された。
3人はベット横にあるモニタを見て何やら楽しそうに会話をしている。
「どんな
「お嬢様、薄い青なんてどうでしょうか?サイバーな感じが出ていいかと……」
「いいわねぇ!クールな戦闘アンドロイド感が出るわぁ!長さは肩ぐらいでいいわね」
「
「うーん、それもいいけど……やっぱ
『………………』
俺は何となくこれから何をされるのかが分かった。
ツルツル頭で全身が"機械感丸出しの身体"にこれからシリコンなのか人工タンパク物質なのかは分からないが、何かで"肉付けして人の身体にする"ということであろう。
しかも女の子に――
などと思って居る間に"MRI検査"の様な機械が動き出し、寝ている俺の身体にレーザー光線が当てられて、どんどんと人の皮膚が形作られて行く。
黒兎、助けてくれ!このままじゃ女の子になっちゃうぅぅぅ!!!!
《アイリス、残念ながら私では何も力になれません》
―― 皮膚形成50パーセント完了 ――
どうにか出来ないのか、このまま全てが女の子になったら心まで女の子になって俺が俺では無くなってしまいそうだ。
―― 皮膚形成80パーセント完了 ――
おっぱいが出来て来てる……あぁ、俺の身体に柔らかそうなおっぱいがぁ!
―― 皮膚形成90パーセント完了 ――
《アイリス、私はこの肉付けを止めることは出来ません》
―― 皮膚形成100パーセント完了 ――
あぁ……終わったぁ、サヨナラ
《ですが貴方の元の身体である"男性としてのアイデンティティ"をこのシステムにハッキングして
――――皮膚形成¶∬Ё……ジジジ……10
《僭越ながら、あの3人にバレ無いように
ベットの鉄輪が外れて身体の自由が利くようになると、俺は股間付近をまさぐってみた。
!?
すると
『………………』
《いかがでしょうか?》
でかした!!!
俺と黒兎との"絆"が一つ深くなった気がしたのであった――
◆◇◆ 機体紹介のコーナー ◇◆◇
虹の剣 アイリス搭乗G・S 【ホワイト・ポーン】(ベスタ命名)
全長 8.8m
重量 4.0t
推力 364140kg
装甲材質 オリハルコン
主動力 ハーツドライブ
レベリオ帝国の最新量産型G・S【ブラック・ポーン】を
白く塗装して魔改造したG・S
ブラック・ポーンにスラスターを増設しコクピットの脱出ポットを外すなどの軽量化を行い、通常のブラック・ポーンよりも3倍のスピードを誇る。
整備士ベスタの趣味で頭頂部に2つのミニスラスターを搭載、兎の耳みたいになっている。
アイリス曰く『これ意味無いでしょ』
武装はブラック・ポーンの武器をそのまま流用できる。
現在の武装 オリハルコン電震ナイフ
レーザーライフル
レーザーガン
オリハルコン弾ショットガン など
◇◆◇ ◆◇◆
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