第1082話 サクサク進もう深層

伯爵がバンバン倒していくのでサクサク進みます。

現在深層4区、アンデッドゾーンが終わり通常モンスターが湧く場所です。

……まぁ、危険度はアカンのですが。


「宝玉期だからモンスターもほとんど居ないからタイラント・ダンジョンワームに気をつけていれば安全ですよねー」

「そうだな。吾輩と君がいれば問題はなかろう。それにしても……ここの壁は削られすぎているな」

「へ?……あ、ほんとだ」


伯爵が指さす壁を見るとほとんど土になっている。

現在深層の季節は『宝玉期』

魔鉱石や宝玉など鉱石系が多く出土しモンスターが少ない時期。

モンスターが少ない理由は鉱石系を求めて深淵からタイラント・ダンジョンワームが這い上がってあらゆるものを食べ尽くすから。

壁の鉱石すらも削り尽くすんだけど……


「季節の変わり目、ですかね?繁茂期に入る頃の壁っぽいですけど」

「それにしては早すぎるな。季節は約1グラーデ……こっちの世界では180日と言うか?そのくらいのスパンで切り替わるはずだ。後40日程度は残っているはずなんだがな」


そういえば、トミーが約半年で切り替わるとか言ってたねー。

熊本は10月末辺りに季節が突入してたからまだまだ先のはずだよね?

関東は北だから季節の変わり目が早いのかな?


「ま、気にしてても仕方ないですよ。早くトミーに会いに行きましょう」

「それもそうだな!何かあってもどーにかなるだろう。カッカッカッ」




~~~




「……どーにかなりますかね?」

「うむ、無理じゃないか?さすがに吾輩も初めての光景だ」

「はぁ……やだなーここ……行きたくねぇ……」


俺はクソデカため息をついて前を見る。

目の前には蠢く大地が広がる。

否、大地では無い。


「タイラント・ダンジョンワームの群れ……この数は異常だな。先程の壁が削れていた原因はこれか」

「うぇ……デカすぎてキモイ……向こうの壁もメキメキ割れてますやん……」


そう、タイラント・ダンジョンワームの群れが深層10区に詰まってました。

いや、デカいって!

一体一体が新幹線並み、いやそれ以上の大きさなのに見えている範囲だけで20匹はいるんですけど?!

熊本でタイラント・ダンジョンワームを見かけてもせいぜい2,3匹なのに……


「これが……関東圏……」

「うむ、流石日本の中心だな!モンスターですら集めるとは!」

「……配分どうします?」

「半々でよかろう。あ、ワームを食べるなら1:3ぐらいでも良いぞ?」


食べません。

食べるにしても準備がかかりすぎますから!

……あ、そういえばシン君と今藤さんがトミーに頼んで仕込んでた干し肉、受け取りに行かないとな。

忘れてたぜ!

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