第1063話 合流!飲兵衛達
「グララララ!まさかまさかだったぞ!昨日ぶりだな!伯爵とか言ったか?おすすめの酒教えてくれよ」
「カッカッカッ!いいともいいとも!他2人がもうへばっていたから三軒目は一緒に行こう!」
「……と申してますが」
「……よし、帰るか」
「お前らは似たもの同士だな。というかお主ら伯爵と知り合いだったのか。鋼帝は知っとったがあーさんもとはのう」
豪鬼さんとシュート伯爵がグビグビと酒を飲んでいるとランファが声をかけてきた。
……まぁ、カオスすぎるよな、ここ。
「シュート伯爵は昨日あった。みなとみらいに新しいダンジョンができてね」
「……あーさんが先遣隊で送り込まれて何やかんやあって深淵に飛んで行って、伯爵がついてきた」
「駄菓子屋のおまけじゃないんだがな……アレでも深淵の主だぞ?」
「……本人が来たがってたから仕方ない。こちらとしてはあのオーガと知り合いなのが驚きだが」
「ん?!あの男、オーガなのか!?」
「「お前知らんかったんかい!!」」
ランファの驚きに俺とエクスが突っ込む。
何でも豪鬼さんとランファ随分前に博多の飲み屋で意気投合してたまに飲む仲間だそう。
……そういえば豪鬼さん、基本は熊本と福岡を往復する貨物輸送の会社勤務でしたね。
「あやつ、他の人間よりは強いから深層までの行き方を教えてやれば亜人街までなら余裕じゃと思って場所を教えておった。熊本や北九州でよく見かけてたから九州の民だとは思っておったが……」
「いや、普通の人はコツ教えて貰っても深層には行けないから」
「……地上で強いなら人間じゃないって分かるだろ」
「中国は達人と呼ばれるもの達が多いからのう……儂も気づかんかったわい。ヒャッハッハッ」
……絶対に酔って気づかなかった奴だな。
何は他もあれ知り合いが揃ってしまったのでそのまま飲み会へ。
俺は大将から蕎麦のだしを貰ってちびちび飲むとしよう。
……エクスが伯爵に連れていかれたけど、まあええか。
「そういえば、ランファ」
「んー?なんじゃ?ツマミでも奢ってくれるか?」
「奢らねぇよ。天ぷら山のように頼んでおいて何言ってんねん。いや、昼間にティム君から電話があってな。ポーション納品するんだって?」
「なんじゃ、ティムが連絡してきたのか。まぁ、あーさんになら話してもよかろう」
……何だろう、やばい事に首突っ込んだ?
年末は忙しいから面倒ごとはゴメンなんですが?!
「……何、こみけ?やらいぶ?で人が集まるじゃろ?特に寝らずに参加するやつもおる。そういった奴のためにポーションが必要と連絡があってのう。効能は低めじゃが大量に作ったわい。あ、ギルド本部への備蓄品は高品質を納品する予定じゃ。あっちの方が簡単じゃったわい」
「あ、そういう?エナドリ代わりかー……え?!そういうこと?!」
「えなどり?あぁ!あの牛のやつか。あれとは比較にならんぞ?バーニングレッドライオンのキモとグリフォンの爪の粉末、その他もろもろを混ぜた特製ポーション……1本飲めば3日は寝らずに動けるぐらいじゃ。瓶詰めの時に聖水で10倍に薄めておるから大丈夫じゃい」
「ダメだろそれ!死人が出るぞ?!」
「なーに、自己再生力アップもつけとるから細胞単位で元気になるぞい」
いや、もっとダメだろ?!
反動で廃人にならないか?!
あ、そこもケアしてる?
ならいいの……か?
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