第1057話 シュート伯爵のいきつけ♡

「カッカッカッ!さぁ、次の店に行こうか!夜はまだ長いぞ?」

「……帰りたい」

「……同感」

「なんだ?元気がないぞ?タジマ君はお酒飲んでないだろ?その割にはちゃんと喋れたような?エクス君はまだまだ女性慣れしてないな?そんなんじゃモテないぞ?ササッ行こうぞ!カッカッカッ」


いや、酒飲んでは無いですけど雰囲気的なやつで。

てか、シュート伯爵元気だなー。

見た目俺より上っぽい感じなのに。


夜になり、シュート伯爵の行きつけの店に行っております。

正確には行った帰りです。

……まぁ、ガールズバーだった訳ですが。

ガールズバーとか何年ぶりだろう……

最後にそれっぽい店に行ったのは会社の先輩に連れて行ってもらった店だけど。

……店のママが俺がぶっ倒したヤクザの奥さんだったのは頭抱えたなー。

奥から用心棒代わりに出てきた時はオレンジジュース吹き出したもん。

シュート伯爵の見た目的にてっきりシャレオツなバーかと思ってたから油断しましたよ……

エクスは人見知り発動して完全に置物になってたし。

……それはそれで笑えたからよかったけど。


「カッカッカッ。良きかな良きかな。いいリフレッシュになったのでは無いか?」

「……なるか阿呆」

「そうですよ。俺嫁いるのにー。酒飲めないのにこういう店に行くの場違いでしょ……あと俺嫁いるのに」

「大丈夫だ、2回も言わなくてもわかってるぞ。そもそも先程の店は男に興味が無いメンバーばかりだからな!」

「「そういうことじゃない!!」」


全く……パパラッチとかいたら不味いやつだよ。

そもそもガールズバーとかキャバクラって苦手なんですよねー……

酒飲めないのもあるけど、飯を食べる時は基本無言になっちゃうし。

聞き専に回っちゃうんですよねー。

話さないとなーって話題を考えてたら次の話題に移って話できなくなる系です。

さて、話が長くなったけどシュート伯爵は次のお店に行く気満々。

元気なことはいいことだけどねー……


「それにしても……ここ、ダンジョンですよね?サラッと流してましたけど」

「……簡易ポータルもここまで来ると世界の理を破壊しているようにしか見えんぞ」

「吾輩、この世界の理に反するものだからその辺は無視できるぞ?君たちの言葉では深淵住みだからな!後吾輩のアイテムは半径100キロ以内のポータルに転移する程度だからな。そこまで理は壊してないだろう」

「そりゃそうですけどー……」

「……十分すぎるだろ」


そう、今いるのは銀座でも横浜でもない。

ダンジョンの深層、亜人達が住む街に来ている。







―――――――――

閲覧ありがとうございます!


シュート伯爵の推しの子は猫又


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