第126話 寄生型
「まさか撮れ高を狙ってクリスタルタートルを見に行ったら深淵のやつに会うとは……」
「同接1億!初めてですよこんなの!」
ネクロさんとゴングさんはホクホク顔だ。
俺は生きた心地がしないんだが?
上に戻ったらなに言われるか……
心配事が頭の中をぐるぐる回って落ち着かない……ん?
「この感触……あのピエロ……!」
「どうかしました?田島さん?」
不思議そうに俺の方を見るネクロさん。
これは対象者が無自覚なのがタチ悪いんだよね。
「ネクロさん、ちょっと踏ん張ってもらっていいです?」
ネクロさんに断りを入れて『樹鹿王の導き』を発動。
手のひらをネクロさんの額にのせて力を込める。
アンデットを楽に浄化する魔力の光がネクロさんの身体に入っていく。
みるみるうちにネクロさんの顔がこわばっていき、息が荒くなってくる。
「た、田島さん!何を!?」
ゴングさんが止めに入る。
「あの性悪ピエロが……しれっとなんてもんを仕込んでるんだよ!」
「え?あのピエロ?」
パンッと軽い音が聞こえた途端、ネクロさんの顔がスッと落ち着いてくる。
「大丈夫かネクロ!!」
「……はぁ……はぁ、何か身体の中で暴れてた感覚が……あれは何ですか?」
「使い魔ですね。魔力を糧に寄生するタイプです。遅延性で魔力がだんだん抜かれていって最後に宿主のコントロールを得るタイプ」
「……うげぇ……」
本当に性悪な奴だよ。
寄生型のモンスター、名前は知らないけどたしかあのピエロが創造したモンスターだったはず。
結構見張ってたのにどのタイミングで寄生させたのか……
やっぱり深淵の奴、特にフラクシアは信用できない!
絶対次会ったらぶっ飛ばす!明日オークション終わったら殴り込みにいく!
無事に地上に戻って来たらマスコミが山のように待ってた。
配信は日本だけでやってたそうだけどアメリカの掲示板に貼られて瞬く間に拡散されたそう。
同接1億超えってやっぱスゴいんだね……
そして俺はギルドの奥に連行されました。
デスヨネー……
――――――――――
閲覧ありがとうございます!
次からはちょっと感情的になるかもです。
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