第66話 一晩で大金持ち その3
「……ぶっちゃけていいますけど、マジでヤバイブツです」
「本当にぶっちゃけましたね。立川さん」
俺より若いのは確実だけど、公務員が言っていい台詞じゃないよね。
「値段としては普通に2,30億は固いでしょう。それだけの価値があるのは保証します」
「は、ハハッ……笑いしか出ませんな」
「おっしゃる通りですな!私ギルド前は装飾品の鑑定士もしておったんですがこの腕輪は彫込も素晴らしい。眼福ものですよこれは」
「美術品としての価値と、付与されている効果を考えても、ってやつですね。田島さん、やっぱり早いうちからランクを上げさせておけば……」
福崎さんの目が怖い……
「ら、ランクの件はさておいて、買取になるんですかね?……20億って」
「無理ですな」
「無理だろ」
「無理です」
「無理に決まってるじゃないですか。ただでさえ国会は予算でゴタゴタしてるのにそれに匹敵するものを買うなんて国には決断できないでしょ!」
「デスヨネー」
買取できないなら家のタンスで肥やしにするかなー。
子どもたちがおままごとで勝手に使わないようにしないと。
ギルドの面々は名残惜しそうに腕輪を見ている。
個人的には寄贈でもいいんだけど、それは法律的にアウトらしい。
贈与になるので税金も発生するって。
やだねぇー
「あ、そうだ。」
そんな風に考えていたらポンっと長嶺さんがてをうった。
「日本じゃ買取できないなら世界に買い取ってもらいますか」
「は?世界?」
長嶺さんが考えたアイディアはこうだ。
国際ギルド連盟は年数回オークションを開催している。主に活動資金とダンジョン未発達地域の援助に回されているそうだけど、出品者にも落札額の6~8割が戻ってくるそう。
「仮に30億で落札されたとしても18億、そこから税金等を引かれても10億以上は確実に手に入ります」
「……年末の確定申告は」
「不要ですね」
「じゃそれで」
確定申告は悪魔の所業だからね。
サラリーマンは書類作りは不要だけどダンジョンの利益は書かないといけないから億劫だったんだよねー
その後は淡々と進み、腕輪はギルド預かりになりました。
よかったよかった。
――――――――――――
閲覧ありがとうございます!
知り合いから顔文字を使う頻度が減ったね、と言われました。
小説を書き始めてから癖で使わないようにしてたので改善されたようです。
ヨキヨキ
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます