第14話 vsマンティコア その1


そのモンスターは、明らかに異常だった。


人の頭にライオンの胴体、蝙蝠のはねと蠍の尻尾……

下層にすむヤバイモンスターの一匹、マンティコアだ。


この前戦ったオーガよりは弱い部類にはいるがそれでも戦う際はパーティーを組むことが推奨されている。

毒を吐くことはもちろん、その鉤爪は岩をも簡単に切り裂く強さを持つからだ。


「えーっと、誰だフラグ立てたの?」

『俺じゃない:紅生姜』

『俺じゃない:コナモン』

『今北。俺じゃない:アニー』


アニーも来たみたいだがすぐに馴染むな!

いや、そのノリは好きだけども。

部屋を覗いていると、マンティコアはニヤリと笑ってからこちらに近づいてきた。

マンティコアはとても知恵があるモンスター。

隙をついて蠍の尻尾で串刺しにして毒を注入、弱ってきたところを痛め付けるというとても嫌らしい戦い方をしてくる。


ぶっちゃけた話、正直戦いたくはない。

理由は簡単、肉がそこまで美味しくない。

そもそも顔が人の顔なので気持ち悪いことこの上ない。

やだよー、倒した時にすげー苦しそうな表情するんだもん。


「俺は肉が食べたいんだよ肉が……あ、そういえば。マンティコアの尻尾って食べれるんだっけか?」

『あれを食う対象には見れない:コナモン』

『そもそもソロで倒すときに食える位置を気にしてる暇がない:紅生姜』

『あ、この前どっかの配信で毒化しない状態ならカニみたいな味だって聞いたような?カニと言うよりはカニカマらしいけど:アニー』


カニの味かー……

俺、カニ苦手なんだよなー……

個人的には子どもの時にエビフライの尻尾で口のなかを切ってから甲殻類は避けていた。

ただ、大きいやつは殻から取り出しやすいので何とか食べれる。

見た目が甲殻類に見えないからね!

あと殻が目に見えて取り除けるからよし。

そうと分かれば話は早い。


俺は魔法を使うため目をつぶった。


魔法は基本詠唱を必要とする。

詠唱といっても「燃やせ」とか「切り刻め」とかいう短い言葉を発して発動する。

レベルが上がると無詠唱で唱えることも出来る。

この前使った魔法の矢がそんな感じ

だが今回はマンティコアの尻尾に毒が回らないように素早く処理をする必要がある。

なら俺のイチオシ魔法で仕留めよう




「ツイスター」





――――――――

閲覧ありがとうございます。


そういえば、週間ランキングって月曜日だけだと思ってたんですけど今日も通知が来ました。


中々不思議な感覚です。


星マーク、ハートありがとうございます!

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