夢幻と呼んでもいい
蒼キるり
夢幻と呼んでもいい
空にレースかけて踊ろう一夜の儚い夢見て明日を忘れ
呼び名の色知らないものでも綺麗その心に名はいらないから
淡いグラデーションに泣くのは明快さばかり求める世だから
藍と桃は遠くて近いどちらも人を慰める色だからだね
塵と浮かぶ雲にすら縋れない哀しみの色ばかりが鮮明
落ちる街がパズルみたいね照らされてようやくその場に在れるのは
反射して柔らかく包むのは矛盾ですかその肩を抱かせてと
帰り道を彩りますつらくとも人でなくとも見ているものよ
クレヨンを敷き詰めたような優しさ見ている間全て忘れて
明日を生きる勇気は空から迎え打つ闘志は胸の奥から
硝子ペン雲を吸い彩れたなら争いさえも一滴は減る
空想に名前をつけたら終わりよ現実を夢幻と笑え
弾く肌水飛沫はいつも鎧弾丸さえ透けさせてみせる
欲しいならすべてをあげるケーキの苺も私の寿命も星も
全てから解放なんかされなくていい雁字搦めの海の底
雨粒を飲む海のよう苦しさは全て飲み込み果ててゆくの
寂しさは尽きることない生きているそれは全ての寂しさに通じ
あのひとは神さま空の上で見ること以外はできない神さま
夕焼けに染まる爪先から落ちてごらん藍色の姫が微笑むから
廻る宇宙の真ん中で私達いつだってそうでしか居られない
夢幻と呼んでもいい 蒼キるり @ruri-aoki
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