第22話 局長の憂鬱

「はあ・・・・・・」

 局長は大きなため息をついた。今日は海外支部から連絡が入るからだ。

 

ジリリリリリン――黒電話が鳴る。局長は一呼吸おくと受話器を取る。


「もしもし。こちら日本支部」

「ハロー。日本の局長サン。調子はどうですか?」

 相手はアメリカ支部の人だ。日本語も多少喋れる。

「調子は・・・・・・いまいちだ」

「オー。それは残念デスネ。こちらは順調デスヨ? この前も転生者を二人始末シマシタ」

「それは良かったですね」

 皮肉をこめて局長は言った。

「日本人は勤勉ですからネー。今後に期待してますよ?」

「分かっている。期待しててくれ」

「その意気デス。転生者は一人残らず始末しないといけませんからネ」

「ああ。我々も全力を尽くすさ」

「OK。それでは頑張ってクダサイ。OH。また転生者が来たようデス。忙しくなるから今日はここまでにシマス。アディオス日本の局長」

 

チン――局長は受話器を置くと煙草に火をつける。煙を吐き出すと職員に告げる。


「総員持ち場につけ、我々も動くぞ」

「はい、局長」

 局長はアメリカに遅れをとるまいと決心するのであった。


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