第90話 依頼完了

 エルドリア帝国に来て2ヶ月、熱病を発症する人は激減、発症して亡くなられる確率も 35%まで減った、確実に死ぬ人は減ったが、それでも多い。


 エルドリアの歴史と共に、溶岩ドームにため込んだ汚物を何とかしていくしかない。


 ダムロンは、エルドリアの騎士を率いて、内輪山の上部を調査している、人が住みやすい場所を探しているのだ。


 そのダムロン達が、襲われた。 襲ったのはハーピーと呼ばれる魔物の群れ。 手が鳥の翼、足は鋭い爪のトリノアシ、その他、顔、体 女性しかも美女の部類に入る魔物。


 女冒険者はハーピーを狩るが、男はハーピーに手を出さない、ハーピーは雌だけの種族、子孫を増やすために、雄を襲う。


 全裸になり武器を捨て、ただ待つ、ひたすら待っていると、ハーピーが近づいてきて、しっかりと品定めをされたあと、ニャンニャンできるらしい。


 ダムロン達が襲われたと連絡を受け、仮設の救護場所に駆けつける。


 タンカに乗せられ、戻ってくる騎士達、ほとんどが軽傷、無傷の男もいる、ダムロンは無事だった。


 エルドリア帝国の人間は、猿科の獣人が7割だとか、 タンカに乗せられた裸の騎士達、 手と胴が長く足が短い、まさにお猿さん体系、持ち物は立派なほうかな? 秘かに期待したお尻は、尻尾が尾てい骨のあたりから伸びているだけで、赤くはなく、普通だった。


 治療にと駆けつけたスワニー、理性を失っている。


 ダムロンの瞼は晴れ上がり眼は赤かった。


「 誰も死んでねぇ 突然ハーピーの群れが現れた 」

「 俺たちは、言い伝えに沿って、裸になり武器を捨て待っていた 」


「 腰が抜けているのは、絞り取られ過ぎ、傷は興奮し過ぎて、ハーピーに抱き着いて、かぎ爪などで、勝手に怪我しただけだ 」


「 ち、ち、ちきしょぉーーーっ! こいつら、ひいひい言って喜んでいただけだ 」


 スワニー 「 死にかける寸前まで、絞りとられているわ 」


 ズル向けのブットイのを、2本それぞれの手で握っている。


「 バカらしくて、治療するきにならないわね 」

 騎士達の、ナニを次々に触りながら歩いている。


 封印の魔女 「 して、ダムロンお前は、平気だったのか 」


「 それだけは、聴くな! 」


 ほぼ死にかけの騎士 「 ハーピーはダムロンさんを恐れて、一匹も近づかなかったのです 」


 別の騎士 「 裸になって、追いかけておられましたが、ハーピーは恐れて逃げていました 」


「 魔物でも雌、相手を選ぶのね 」

「 口に出して言うな! 」


 ダムロンほか、無傷の騎士が3人、むっさくて脂ぎったおっさん、なんとなく納得できてしまう。


「 裸になって、追いかけたの 」


「 いや! なんだ! ついに使う時がきた、一生のチャンスじゃないかと頑張ったのに 」 涙目。


 変態男、生き埋めにしてやろうかと思ったけど、可愛そうになってやめる。


 封印の魔女 「 なんと、人の女に相手にされないだけでなく、魔物の雌にも相手しれもらえないとはのぉ 」


 ダムロンは頭を抱えて、ヤンキー座り、ブツブツ呪文を唱え始めた。


 標高の高い所に、ハーピー達は住みついている、女性だと殺し合いに、男性だと、無抵抗なら、精を絞りとるだけで、殺される事はないらしい。


 アマルベの騎士見習いや男子学生達は、筆おろしと称し、年頃になると、山に登るのだとロクトリア姫は説明


「 男って最低ですね 」

 しっかり頷く。


 入り口のドアの横に立っている兵士を睨み付けておられる


「 それでも、童貞がいるのだからね 」


 見るからに挙動不審な状態に陥っている。

 ある意味、男とハーピーは共存しているわけね。


 未だ妖魔の影は、釈然としないが、熱病にかかる人達が激減したこともあり、私達は引き上げる事にした。


 盛大なパーティ、最初に訪問したときは、それどころじゃなかったのに、少し笑いが戻ってきている。


 アマルベ王都も、下層部はまだまだだ、中層以上は、風の流れも感じられるようになっている。


 ダムロンは騎士達と抱き合っている、男の友情というのか、暑苦しい。


 スワニー 「 わたくし、働きましたわよ、とっても働きました 」


 途中から、妖魔を探すという名目で、魔玉集めにいそしんでいた私への当てつけなの。


 王宮の最下層部に、人影を捉えた、封印の魔女様が、結界を発動させる。


 何者かは知らないが、明らかに怪しい。


 王宮からは、人払いをしてある、私と、封印の魔女、エルドリア 14世、ロクトリア姫、ダムロン、スワニー、数名の騎士と共に、最下層に降りる。


「 ここから出せ! 」


 ドーーーン 結界が揺れる。


 自分が打ち出した、魔力砲が反射し、ボロボロ状態。


 騎士 「 エジンバラ公爵 」名前を呼び言葉を失ったようだ。


 マナの塊である意識体、妖魔だ。


「 ふふふふ、あははははは これは封印の魔女の仕業かーーーっ! 」

「 妖魔が、ここで何をしていた 」


 妖魔 「 驚いたよ、これほどとはな、熱病への処置、自然の摂理の理解、大したものだ 」


「 お前たちの想像どうりだ、下層から湧きあがって来る、毒素に熱病の菌を追加していた 」 あっさりと認める。


「 自然の摂理を、乱すゴミクズドモ、お前らに生きる資格など無い! 滅びろ! 」


 エルドリア 14世 「 20年、イヤ 10年 待ってくれ、 それでも変わらぬなら、私の命をやろう 」


「 お前の命、エルドリアの民すべての命だ 」


 妖魔は結界の中央で、眼をつぶり座り込んだ、もう話す気持ちはなさそう。


 封印の魔女 「 10 年後に、この結界は消滅します 」


 マナが無くならない限り、消滅することは無いと言われる妖魔、何千年でも生きている、10年など、瞬きぐらいにしか、思ってないのだろう。


 エルドリア 14世には、妖魔を消滅させる危険性について、話をしてある、マナの塊、あいつが消滅すれば、内輪山の中のマナの濃度は、異常な状態シフト、巨大化し大魔獣に変わる、魔物を生み出す事になる。


 依頼は完了、私達は飛空艇で、都市ダラムの近くへ送ってもらう。

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