第85話 聖女発狂

 明日の夜明け、ダラムの城門に集合とした。


 虎の咆哮パーティの男5人、 白銀の鎧、細剣を腰にしたスワニー司祭と、スワニーの護衛4人のシスター戦士、聖魔教会の卍型刻印の入った鎧を纏い完全武装した戦士。


 思わず 「 ゴブリンよ、 鎧脱いだほうがいいと思うけど 」


 頷く虎の咆哮パーティ。


 シスター戦士 「 聖女様の身は、命に代えてお守りしますので、ご安心ください 」


 スワニーも冗談じゃないわよ とか言わないで


「 貴女たちの、忠義、神に変わって感謝いたします 」 と済ました顔で言っている、どの口がと思うのは私だけなのだろうか。


 虎の咆哮 男5人組 「 聖女様ですか 」 舞い上がってしまっている、 なんとなくお気の毒、女性の実態を知らない男は、自分で作りだした幻想を心に思い浮かべるだけ。


 クサラ村までの移動は、私がエンケドラスに乗り、虎の咆哮は、ダンドラ2頭立ての馬車が2台、3人がダンドラの背に2人が馬車の御者、 聖魔教会のシスター戦士達はそれぞれダンドラの背にのっている。


「 スワニー 酔って動けなくならない 」

「 都市チョアンでは、道無き道を走りつづけたのよ、街道なんて、楽勝よ 」


 クサラ村までの移動、 虎の咆哮5人の内4人は、丁度4人の、シスター戦士達と楽しそうに、笑い声をあげながら、移動。


 リーダーのチャナックは、私の横で時々会話している。


 スワニーとは誰も会話しようとしていない、2重人格、お澄ましが表に出てきてはいるが、これは相当キテイルのがわかる。


 流石に聖女様に、気安く話しかける勇気は無いらしい。


 クサラ村で一泊、村長から状況を聞く、 山一つ奥、ゴブリンの集団を見かけるようになってきたという。


 ある程度の数になると、人を襲い、調子に乗ると村にまで、襲いかかる。

 繁殖と殺して食べる事しか頭に無いので、どうしようもない生き物だ。


 私はすでにシュミハザにより、住処を特定している。


 私以外ダンドラに乗り、山に入る、エンケドラスに乗り先導している。


 チャナック 「 ゴブリンの巣がわかるのですが 」


「 森の声、風の声が居場所を教えてくれるの 」

 魔女らしく適当に言っているだけ、唸り声をあげて信じる人達。


 女性の悲鳴と泣き声、ゴブリン、すでに人をさらってきている。


「 巣を襲うのは、後回し、助けるわよ 」


「 巣に近いから、増援が来るかもしれない、気をつけて 」


 ゴブリンは、捕まえた女性を犯していた、巣に連れ込むまで、待てなかったのだろう。一人の女性に5匹で群がっている。


 白いドロッとした汁まみれの女性を救出


「 スワニー が手当を始める 」


「 こんなことって、こんなことって、こんなことって 」

 女性の状態を見て、切れかけている。


 スワニー 「 許しません、貴方達、一匹残らず、神の罰を与えるのです 」


 そこまでは、聖女らしかった。


 手当をして、ほっとしたのか、周りの様子に、気付いたようだ。


「 ぎやーーーーっ! 何なのですか、裸じゃないですかーーーーっ! 」


 冒険者 「 魔獣ですから、服は着たりしていませんよ 」


「 なっ、なっ、なっ 」


 目の玉飛び出るような顔して、ガン観。

「 しゅ しゅごい 」 鼻血ブーー、 シスター戦士が看病中。


 巣に近い場所、ゴブリン達は気付いたようだ


「 来るわ 」


「 ぐおーーっ! 」「 ぐわーーっ! 」「 ぐおーーーっ 」


 股にぶら下がっている、立派な物を、振り子のように揺らしながら、棒をもって向かってくる。


 エンケドラスがひと暴れ、ほとんど壊滅


「 きゃーーーっ! 来ないで! 」


 悲鳴を上げ逃げまくる、聖魔教会司祭とシスター戦士。


 見た目全裸、それだけで戦意喪失気味。


 虎の咆哮が、うまくフォローに回る。 シスター戦士といい雰囲気。


 虎の咆哮にしても、ゴブリン程度、楽勝レベル。


 巣まで押し戻す、 私は巣に、爆発系の魔法を叩き込み、巣事破壊。


 シスター戦士 「 聖女様、ゴブリンの持ち物は、大きくて立派です 」何気に気に入っているような、、、


「 す、素晴らしいですわ、繁殖力がものすごいだけあって、精力剤などのお薬になりますの 」


 雌のゴブリンを見て、顔から湯気が出ている。


「 こ、構造も同じ、お、同じ形ですわ 」


 虎の咆哮 冒険者が無造作に解体を始める。


「 女性の秘密なんてもの、何処にもないじゃない 」


「 聖女様落ち着いて下さい 」


 血の臭いがあたりに充満、近づけるところまで馬車を持ってきて、ゴブリンを運ぶ、50匹を超える数、村が襲われてなくて、良かった。


 野宿となっている。


「 こんなことって 」


「 人型の魔獣も沢山いるのよ 」

「 気にすることもないから 」


 ふと思った、この世界開放的、冒険者達は特に、成りたての冒険者の収入源と言えば、ゴブリンの睾丸など、隠す意味ってないのかも、でも私はレディ、ガードは鋼鉄のごとし。


 スワニーの手にしている皿の上には、2つの塊と棒状の串焼きが、私は黙って知らないふりをした。


 スワニー 「 コレとコレ美味しいわね 」


 笑顔を振りまきかぶりついていた、アチャー


 冒険者 「 聖女様のお口に合いましたか、女性の方は誰もが美味しいとおっしゃしゃいます 」


「 ゴブリンの雄の チン〇ンとキン〇マです。


 司祭のイメージ崩壊、鼻血噴き出して、「 ぎいぇーーーーーーーっ! 」絶叫中。


「 あんなものを、食べた、食べてしまったのよーーーーーーっ! とっても美味しかったのよぉーーーっ! 」


 シスター戦士、「 素材の剥ぎ取り、お手伝いしました、右手でこう、握りしめて、根元からバッサリ 」うっとりとした顔つきで説明する。


 スワニーは、ぶっ倒れてピクピクしている。


 三十路後半にもなって、経験値限りなくゼロ、耐久性無し。

 少しは大人になってくれるのを期待したい。

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