18話 メイド

アスナは段々と元気になってきた

そしてクラウゼや僧侶、治療師から自分の状況を聞かされる

「そうですか、空はもう駄目なのですね」

「うむ、その事だが、実は家でメイドが一人、辞めて人手がたりないんだ」

「?」

「君さえ良ければ家でメイドとして働いて見ないか?」

「ありがとうございます、そうなると、私はユーリ様の専属メイドですか?」

クラウゼはきょとんとした顔になった

「まあ、専属、専属メイド?、そういう訳にはいかないが、まあ、そういう事にしておこう」

クラウゼは時々、思いがけない事を言われると訳の分からない構文で発言する事がある

「ありがとうございます、この御恩は一生忘れません」


次に驚いたのはユーリだった

「ユーリ様、今日から専属メイドのアスナです」

そこにはメイド服を着たアスナがいます

「はい?」

「専属メイドのアスナです!!」

「父上、専属メイドってどういう事です?」

「その、お前も12歳だし、そろそろ、専属のメイドがいるかなと思って、いや、いらないかもしれないが、いるのかもしれない」

「訳がわかりません」

「ユーリ様の身の回りの世話は私がすればよいのですね」

ユーリも困惑する


「いや、自分の事は自分で出来るよ」

「でも、お風呂とか背中を流したり」

アスナの発言に

「ちょっと待って、それはいいから、父上!!」

「メイドに背中を流してもらうなんて私もやってもらった事はないが、それはそれでうらやましいような、けしからんような」

ユーリは思う

『父上、やっぱり混乱してる』


ユーリはアスナに言います

「ちょっと外に出て話そう」

「はい、ユーリ様」

「その様はやめてユーリで良いよ」

「ではマスター」

クラウゼが呆けた顔でつぶやく

「若いというのは良いなあ」


外に出た2人

ユーリはアスナに聞く

「君はメイドでいいのかい?」

「はい、ユーリ様に助けられた命ですので」

「そうじゃない、空をもう一度、飛びたくないのか?」

アスナはしばし沈黙して押し殺したような超えで言う

「飛びたいです」

涙を流すアスナ

「それが君の本音だろ」

ユーリは思い出します、そう、自分も空を飛びたいと願ってこの世界で竜騎士になろうとしてる、きっとアスナも再び空を飛べる

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