第13話 ドラゴンの天敵?
ーー ドラゴンの巣見つかる
タロウが戻ってきたのは3日後だった。
その時のタロウは結構な怪我をして手には火竜の首と鱗を持ち帰っていた。
「他は?」
「食った!」
そうなのね、
「それで報告は」
「ドラゴンが山のようにいた、あれは巣だな。うん。」
「それじゃよくわからないでしょ。もう少し具体的に。」
と叱ると
「ああ悪かったご主人。ここから1日くらいのところに大きな山があって、そこがドラゴンの巣なんだ。場所場所でドラゴンの種類が違い、湖もあった。俺ははぐれの火竜と戦いになって倒したが、他の竜は気にもしていなかった。」
ということだそうだ。
「そう分かったわ、皆んなの訓練が終わったら仕上げに向かうわ。」
と答えて皆んなの訓練状況を把握しながらドラゴン狩りを楽しみにしていた。
ー 10日後
皆がある程度の実力を身につけたことを確認した私は、数人に果実を与えた
「コレはドラゴンブレスから仲間を守る結界魔法の上位版よ。食べて。」
と盾役に与え、回復薬に別の果実を与えた
「これはパーフェクトヒールが使える果実よでもね回数や範囲は個人の魔力で違うから確認してね。」
次に攻撃役と支援役には
「これは身体強化の上位版、攻撃も回避もコレであればドラゴンも恐れることもないわ。」
と言いながら皆に新たな果実を与えて、身体に馴染むのを5日ほど待った。
ー 5日後
「さあ皆んな!ドラゴンを借りに行くわよ。」
と掛け声をかけてタロウの案内で先に進む。
確かに1日ほど進むと先の方に高い山が見えてきた。
「アレがそうね。ならこの先で野営の準備をしましょう。」
とベースキャンプを作り討伐に臨むことにした。
ーー いざ、ドラゴンへ
飛行魔法と気配遮断を使い私は山の状況を確認した、確かにここはドラゴンの巣のようだ。
多分繁殖地だと考えられる、たまたま繁殖時期にここに来られたのだ運がいいわ。
様子を伺うと下から地竜、火竜、水竜、風竜、雷竜のようだったが、もう一つ二つ大きな存在がいるようだがよく分からなかった。
タロウの言うには、
「竜は基本個だ、だから他奴が戦っても自分にかかって来なければ気にしない。」
らしい、ただ若い竜は興味本位に掛かってくるらしい。
私は冒険者の子供らを二つに分けて竜に当てることにした、女神の五指ともう一つそれとそれ以外の3パーティー。
狙いは地竜か火竜でサポートにタロウ。
私は雷竜辺りがいい、それぞれ目的の竜を選び挑む。
竜も心得た様子で、戦い出すとその場を開けて戦いやすくしてくれる。
「雷竜!私と戦ってもらうわよ。」
と一体の特に大きな雷竜に声をかけた。
その気に気付いたのかその大きな雷竜が目を開けて私を見ると、「フン」と鼻息をついて目を瞑り直した。
「こいつ私を舐めてるのね。いいわ思い知るといいわ。」
と呟くと
「身体強化MAX」
「竜斬徒手空拳」
「竜魔法無効」
「質量増大」
と次々に身体を強化して、寝ている竜の尻尾を掴むとやおら引きずり振り回し始めた。
驚いたのは振り回された雷竜だけではなくその他の竜も同じだ。
時と共に速くなる回転に雷竜は堪らず私にブレスを吐いてきたが、竜魔法無効の私には微風にもならない、ここにきて雷竜は自分の油断と判断ミスに気付いたようだ。
その大きな身体を山肌に叩きつけると私は追いかけるように、雷竜の顔に渾身のパンチを喰らわした。
「ドーン!」
山が割れたかと思われるほどに音と振動が周囲を揺らす。
砂埃が晴れると、瀕死の雷竜がグッタリとしていた。
「弱すぎだわ!」
と私が言うと
「ならば我が相手しよう。」
と言う声がして、いつの間にかすぐそばに真っ黒い竜がいた。
「え!いつの間に?・・いいわ、今から貴方が相手ね。」
と答え構える私に黒い竜は、目にも止まらぬ素早い動きで私を尻尾で弾き飛ばそうとした。
「バーン」
空気の割れる音が響くが私は1mmも動いていない。
「次は私よ!」
と言うと黒竜の頬に蹴りを繰り出す。
それを前足で防いでカウンターを狙った黒竜は、驚きに目を見開く。
質量が増大している私は、黒竜以上の質量を持っていたのだ。
蹴りが黒竜の腕もろとも頬にめり込むほどの勢いでヒット。
大きく顔をのけぞらせる黒竜。
思わずブレスを私に吐く、しかしブレスは効かず私の右アッパーが顎の下を捉える。
「グッフォ」
黒竜から声が漏れ出る。
黒竜の周りに黒く濃厚な魔力が噴き出すと、私に腕を振り下ろす。
そうでを片手で受けた私に横から尻尾が!
「ガシッ!」
それを片足で受ける、そこのもう一つの腕が襲う。
流石に避けきれず、私は左に二、三歩動くが黒竜の腕を掴み大きく後ろに振る。
腕を取られた黒竜がバランスを崩す、そこに左のパンチを横腹に1発。
「ドーン」
「クッ!これはなかなか・・効くな。」
と言いながら黒竜がパンチを繰り出す、それをまともに顔で受ける私。
「バーン」
大きな音わするがその場を動かず受け切る私に、間合いを開けて。
「これは俺の負けだ。」
と宣言する黒竜、私は「ペッ」と口の中の血を吐き。
「アンタもなかなかやるわね。」
と黒竜を称えた。
その後は黒竜が「飲むか?」と言いながら地面を叩くとそこにプールほどの凹みとそこに湧き出す液体。
「竜酒だ、美味いぞ」
と勧める黒竜に土魔法で作った大杯と私用の盃を作り渡しながら、湧き出た竜酒を汲みあって飲み干す。
「本当だ、美味いよ。」
と言えば
「そうか気に入ったか。」
と笑う黒竜。
そんな事をしているとタロウが姿を現し、
「ご主人、俺にも飲ませてくれよ。」
と言いながら黒竜の差し出す大杯を受け取りゴクリと飲み干す。
「やっぱり美味いな、久しぶりだな黒竜。」
と声をかけた。
「タロウは知ってるの?」
「ああ、こいつは昔よく喧嘩した仲さ」
と言いながら盃を返す。
どうやらタロウは昔から竜と喧嘩を繰り返していたようだ。
冒険者の2チームもそれぞれ竜を討ち取ったようで、ベースキャンプで休んでいるそうだ。
私はいまだに伸びている雷竜の鱗を10枚ほど引き剥がすと収納して山を入た、その際黒竜に
「なを教えてくれ」
と言われ
「セシルよ」
と答えた。
ーー ドラゴンを倒した後
ベースキャンプに戻り、皆んなの無事を確認した後私は皆のステータスを確認。
「皆んなドラゴンスレイヤーの称号がついたわね。よかったわ。」
と言いながら自分おステータスを見ると
[ドラゴンの天敵、黒竜の友。]
と称号があった。
「天敵?・・・友?意味がわからないわね。」
と呟きながら次の日、街へ凱旋した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます