第22話 メイド喫茶

僕はクソゲーストーカーだ。クソゲーと僕はすれ違いを繰り返して離れ離れになったり、抱きしめあったりするんだ。だから、必死に僕はその愛を繋ぎとめようとする。


愛よ。さめないで。


僕は新宿のメイド喫茶べるだんでぃ♪のまわりをうろうろしてみた。


もしかしたら、アイドルカリスマメイドのうるるんが出てくるかも知れない。


うるるんの制服はかわいい。フリルが特別に作られていて、店がナンバー1メイド嬢として特別に贔屓してる。猫のアクセがついたリボンはかわいい。すごく。


「きゃーーー。仕事終わった。帰ろっと♪」


案の定、うるるんが、メイド喫茶からメイド服のまま出てきた。


ふりふりのメイド服がかわいい。


僕はうるるんをストーキングして、後ろをついて行った。


うるるんは帰りに新宿の10Qの高級スーパーで食材を買って帰るみたいだ。


「らんら、らんららーー♪」


買い物かごを持ってスキップしながら帰るうるるんを僕はつけまわして、そこから、うるるんが新宿駅に入って行くまでストーキングした。


ぐふふ。ぶひっ。


やっぱりストーキングは楽しい。日常の延長線上のクソゲー的破滅がそこにある。


そこから僕は渋谷の冒険者ギルドに向かって帰って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る