天恵
自動販売機さんから謎の脅迫を受け、おれは天恵なる物を受け取ったはずなのだが?いったいなんだろうか?
なにやら自動販売機の下に取り出し口のような物がある。そこから何かが出てきていたようだ。
取り出してみると、なにやらプロテクターの様な防具と刃渡り30cm前後のナイフがあった。
「これが天恵か?」思ったよりもショボイな…」
「それは異人がここに触るとみんなもらってた物よ」
「そうか…」
(つまりこれは天恵ではない?自動販売機さん説明少なすぎないか?)
俺はどうするべきか腕を組んで悩んでいると自動販売機さんの言葉を思い出した。
(いや、待てよ。確か自動販売機さん確か後はヘルプがどうとか言ってたな…)
俺は再び自動販売機さんのパネルに触れた。
触れると再び半透明のパネルの様な物が表示された。
「えーと。ヘルプは…」
「あった」
俺はヘルプの項目を開き天恵の項目を開いた。
「天恵とは異人が与えられる能力である。魔力適正の能力を付与される」
(魔力適正?)
一旦自動販売機さんの液晶を閉じて、でルフに聞いてみる事にした。
「なあ、魔力適正って天恵貰ったんだけど何か知っているか?」
「それも異人は最初にもらえる能力らしいね」
「全員同じもの貰えるのかよ…。機械的だな…」
「まあ、そんな大それた能力や力は簡単には身に付かないものだよ。それより魔力適正について話をするね」
俺は頷いて話の続きを促した。
「簡単に言うと魔法使えるようになったんだ」
「まじ?」
「うん。でも本当に簡単な物だけ」
俺はウキウキ気分で誰も居ないところに向かって手を向けて何か力を込めてみた。
「ふん!!」
「ふん!」
しかし、何も起きなかった。
「何も起きないじゃないか!?」
ルフは俺の姿を見て大笑いしている。
「そ、そりゃあそうだよ。私が手伝ってあげるから手広げてて」
そういうとルフは俺の肩に座って居たのだが、ピョンと飛び立ち俺の手のひらの上に立った。
「今から私が魔力流すから、何か感じたら言って」
ルフは俺の手のひらで少し小さく深呼吸をしてから、手を広げて何かを行っているようだ。
少し経過した後に俺の手のひらで何から温かさのうような、動くものを感じた。そして改めてルフの体を見てみると力の奔流のような物を感じる気がする。
「なにか温かいものを感じるような…」
「たぶんそれが魔力だと思うよ。そして私は詳しく知らないんだけど異人さんは、機械を操作して魔法等の設定をするって聞いたよ」
「なんだと?ちょとまっててくれ」
俺は再び自動販売機のパネルを操作して魔法の設定の項目を発見した。
(おっと、その前に簡単にヘルプで確認しよう)
(……なるほど。この自動販売機に触れると設定したり、解除したり出来るのか。つまり階層に合わせた能力を自分で探せって事かな?)
自動販売機のパネルを閉じてルフへ肝心な事を聞くことにした。
「ところで下に降りる覚悟はあるんだが、プラさんが話していた門番ってどんなやつだ?」
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